テラーノベル
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大森サイド
「ね、これ、元貴のためだよ?」
「今日、家、来れないの?」
「あーあ、はいはい。仕事ね、…楽しみにしてたのになぁ」
「今からヤろうよ、…は、疲れてるとか理由じゃないから」
「え、ご飯?作ったの?でももう食べてきちゃったし、いらない」
「元貴、かわいいよ」
「やること終わったんだし、帰って」
「元貴は、もう俺しか見ないでよ?」
シャワーの水の音。
頭の中で響く若井の声。
それだけで、目の前に若井がいるわけでもないのに身体が動かなくなる。
若井に冷たい目で見られるのが、怖い。
残念がる顔を見ると、俺の中に罪悪感が溜まっていく。
満たしてほしいって言われてから、若井を満足に満たしてあげられるように、頑張った。
でも頑張ったところで、若井にとって自分が都合のいい存在だってこと、わかっていた。
でも若井から離れなれなかった。
離れようとすればするほど、身体が悲鳴をあげていた。
だから、若井を抱いている間は自分に価値がある気がして、嬉しかった。
「んっ、あっ、…あぅっ…♡」
「わかい、」
「んふっ、♡そこっ、…んあっ♡」
だからずっと、若井の期待に応えるように、若井の上で腰を振り続けていた。
なのに、あの日、
全てが壊れた。
「元貴、もう俺の家、来ないで」
若井の家にいって、若井に言われたのは、その言葉。
なにかの冗談だと思った。
でも若井は合鍵も返して、もうくるな、と言ってくる。
若井の目に愛なんて一つもない。
「いや、いやだっ…!若井と別れるのっ…」
俺は掠れて震えた声で言う。
でも、
「いや、俺も無理なの、」
「実はさぁ、元貴以外にも他に関係持ってる男がいるの。だから、俺に元貴はいらない」
「だから、もう二度とくんな」
その言葉を聞いた時、
目の前が真っ暗になって、
足に力が入らなくなって。
それから家にどうやって戻ったのか、覚えていない。
シャワーの音が響く。
若井のことを思い出してまたどんよりとした気持ちが広がっていく。
怖い、
苦しい、
寂しい、
♡&💬よろしくお願いします
コメント
9件
うー、予想外の展開😵💫 この後のどうなるのかが楽しみです😖💞
うううううああああ、、、、、 やばい これはやばいぞ くるしい、、、、 もう言葉も出ないよ、、
みのり🍏さんの作品毎回みさせてもらってます! 私も作品を描いたりしてるんですけど駄作ばかりで… みのり🍏さんは私の憧れです!これからも頑張ってください!