「ほ、ホントに何でもないから」
僕は涙を拭った。せっかくの真白との初デートなのに、何を泣いてるんだ僕は…
「拓馬くん…」
慰めなんて、いらない。慰めないでくれ…
「ごめん、ね…」
真白の震えた声が聞こえた。
「え…?」
顔を上げると、真白は酷く震えていた。
「拓馬くんを置いていっちゃう、私なんかでごめんね」
「違う」
僕は謝ってほしいわけじゃない。僕は…僕は…
「真白に生きてほしいんだ…」
真白、死なないで。生きて。僕ともっと一緒に生きてよ…どうして真白なんだろう?どうして真白がこんな目に遭ってるんだろう?
「真白は悪くないのに…」
そうだ。真白は悪くない。悪く、ないのに…
「違うよ」
「え?」
「私はね、拓馬くん。悪い子なんだぁ…」
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