「お先に〜ありがとう」
濡れた髪を拭く涼ちゃんはホカホカで頬もピンクになっていてなんだか凄く色気がある。見たいけど、あんまり見ちゃうとなんだかよくない気がして目線はテレビのほうに向ける。
「なにか面白いテレビしてた?」
涼ちゃんが隣に座りそのホカホカの体をくっつけてきた。いつも俺が使ってるシャンプーの匂いがして、なんでこんなことでって思うのに身体が熱くなる。
「あー、うん、えっと俺もシャワーするから好きなの見てて」
熱くなったのは体温だけじゃなく、下半身も···で慌てて俺はバスルームへ逃げ込んだ。
このままではもたないと思い、俺はバレないようにこっそりとひとりで慰めることにする。
シャワーを出したまま硬いそれをしごく。
「ん···はぁ、涼ちゃん···涼ちゃん···いいよっ···」
いつだって妄想の中の涼ちゃんは俺を優しく受け止めて柔らかく受け入れてくれていた。元貴のこと好きだからいいよ、全部気持ちいいよって···。
「俺も···好きっ···くッ···ハァ···」
現実はそんな風に上手くはいかない。でもそれでもいいや、涼ちゃんとずっと一緒にいられればそれでいい。
落ち着いた俺は身体を洗い服を着て髪を乾かして部屋に戻るとテレビは消えていて部屋は静かで涼ちゃんの気配はない。
「りょうちゃーん?」
寝室を開けると俺のベットですやすやと寝ている涼ちゃんがいた。
「よっぽど眠たかったんだなぁ···かわいい」
サラサラふわふわの髪を撫でる。
あれ、ちゃんと乾いてる?いつの間に。広いベッドなので隣にそっとお邪魔する。あったかぁ···。いつも入るときのひんやり感が苦手なのだが それが無いって幸せだなぁと思う。
少しだけ、少しだけ···涼ちゃんに近寄ってその熱をわけて貰おうとする。
···と、その時。
向こうを向いていた涼ちゃんが寝返りを打ち俺を抱きしめた。
「りょうちゃん···?」
返事はない。
寝ているんだろうか···じゃあいいか···このままでも。 その温かさに抱かれて俺も目を閉じる。こんなにすっと眠りに落ちたのは久しぶりな気がした。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!