朝起きてもまだ俺は涼ちゃんの腕の中にいて、目の前には眠る涼ちゃんがいた。
こんなに深く眠れたの久しぶりかも···まだうとうとと微睡んでしまう。
涼ちゃんてメイクしても綺麗だけど、すっぴんでも可愛らしい。
ずっとこのままいられたら···。
こんな風に遊んだり、側で眠ったりすることが許される関係で涼ちゃんの側にいられればそれでいい。
この数年で多少なりとも涼ちゃんから恋愛相談を受けたこともある。
少し驚いたのは相手が女性のときもあれば男性のことを気になると言われたときもあった。
俺からすれば男性でも恋愛対象になるんだ、とありがたい話でしかなかったけど。
いつかは好き同士でも離れてしまう。その長い人生の中のたった1ページになるくらいだったら、俺は最後のページに残りたいと思った。
多くの中のひとりじゃなく、最後のたったひとりになりたい。
だからこのままでいい。
「おはよ···元貴早起き···」
「おはよ。涼ちゃんってあったかいね」
「元貴もあったかい···もっとぎゅってしたい···」
珍しい。いつもわりとくっついていくのは俺の方で、涼ちゃんがこんな風に言ってくれるなんて···。いいよ、って肯定する為に涼ちゃんの背中に回した手に力を込めた。
俺を抱きしめてくれる腕が強くなり、全身がぴったりとくっつく。
俺の足は涼ちゃんの足の間に挟まれていて、太ももに硬いものを感じる。
まさか···涼ちゃん、勃ってる···?
男性ではよくある朝の生理現象なんだろう。わかってる、けどゼロ距離で抱きしめられてそれを感じて、眠気なんか吹っ飛んだ俺は落ち着け、と自分に言い聞かせる。
ふぅ、と息を吐くとくすぐったかったのか涼ちゃんが笑った。それが耳元で笑ったもんだから、思わずビクッとしてしまう。
あぁ、もう限界···!
「俺、起きるねっ」
そっと涼ちゃんから離れると慌てて顔を洗いに行く。なんかやっぱり昨日くらいからちょっとまずいかもしれない。近すぎる距離は俺の心を狂わせる。
告白とかそんなことより理性がなくなりそう。
けど告白も今は出来ない。
断られたら?もし付き合えても飽きられたら?嫌われたら?
ずっと続いてきた関係を変えることは凄く怖いことだから···。
「元貴大丈夫?」
なかなか戻らない俺に涼ちゃんが顔をぴょこっと出して気にかけてくれる。
「うん、大丈夫···」
「起きたすぐの元貴ってなんか可愛いね」
ちゅ。そう言って頬にキスされた。
「なっ··?なに」
「おはようのキスだよー」
え、涼ちゃんってそういう習慣あるんだ··· 朝からつい照れてしまう。
「元貴はしてくれないの?おはようのキス」
そういうと少しかかんで顔を近づけてくる。その誘惑に勝てず俺は涼ちゃんの頬に軽く唇を寄せた。涼ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。
コメント
7件
涼ちゃんやめて!元貴のライフはもうゼロよ!!って思わず叫んじゃった🤣
💛ちゃんの小悪魔感が可愛いすぎます🤭💕
かわいい〜!!幸せぇぇぇ👼🏻🤦🏻♀️