テラーノベル
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※このお話しは、本編とは異なります。興味のない方は飛ばして下さい。
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「……よし……よし……!」
形は歪だけど…何とか一つ生き残ってくれた。時刻は2月13日23時50分。出来たものに満足した後、数々の失敗作に目をやる。…これ何?ハートの形に作ったはずなんだけど、膨らむし崩れるし挙句変形まで……これなんか、見事に真ん中に亀裂入ってるし。料理は苦手なわけではないはずなんだけどな…お菓子はまた別なのか、難しすぎる。でも、出来たから!一つだけど。この失敗作たちは、他のメンバーの口に突っ込めば問題ないとして…問題は、この成功したものを、どうやってジンヒョンに渡すかだ。着替えの上に置く?でも、メンバーたちの前でバラされるのは嫌だな…今から部屋に忍び込んで…いや、起きちゃうよね。メンバー同様口に突っ込む?でも、折角綺麗に出来たわけだし……
カチッ……
「……あ」
0時。…日を跨ぎ、2月14日…良い案が出ないまま当日を迎えてしまった。どうしよう…僕もそろそろ寝たいけど、これを考えるまでは寝られない…!
ガチャッ……
「………ホバ?」
「…!?、ジ、ジンヒョン?ど、どうして…」
「…どうして…?…喉、乾いたなーって考えたら寝れなくなっちゃって」
「な、なるほど……水で良いですか?ちょっと待って下さいね」
「うん?ありがとう…やぁー、甘い匂いがするね?何か作ってたの?」
「…いいえ?」
「いや、無理があるって。そういう嘘は片付けてから言いなさい」
どうしたものかと考えていると、不意に聞こえるドアの開く音と、目が半分しか開いていないジンヒョンが見え、心臓が飛び跳ねる。何も考えがまとまっていないのに、問題の中心人物が直接来てしまった!!寝ぼけてそうだったので適当にはぐらかそうとするも、あっさり図星を突かれてしまい、本格的に焦り出す。どうしよう…何て言えば良いんだろう…
「………これ、ハート?」
「……そうです……」
「…これだけ綺麗に出来てるね?」
「……まぁ……唯一、ですね……」
「そうなんだ………で、これは誰かにあげる予定なの?」
「……………」
どうする?いっその事、ジンヒョンにですって言っちゃう?でも、折角のバレンタインなんだからもっと特別な渡し方したい…でも、もう本人にバレてるのに特別も何もない?…駄目、考えが纏まらない。
「…ホバ、これは誰にあげるつもりなの」
「えっと………」
「………」
「………ぼ、僕の、ヒョン……」
「…それやだ」
「?」
「僕のヒョンってやだ。もっと別の言い方ないの?ホバのヒョンは、僕だけじゃなくてユンギもいるじゃん」
「…そう、ですけど……」
「……何、もしかしてユンギにあげるつもりなの?」
「そ、そんな事……!」
何て言えば良いんだ?何が正解か………考えるだけ無駄になってきた気がする。物凄く恥ずかしいけど、こういうのは勢いだ!!僕は水を持ってジンヒョンの方に行くとコップを押し付けた後に、綺麗に出来たクッキーを口に押し付ける。
「んぐ……っ」
「…綺麗に出来たのだけ、渡したいんです。だから、僕からのバレンタインはこれでおしまいです」
「む………やぁ、押し付けたら食べられないだろ!普通にちょうだいよ…」
「だって!本当はちゃんと袋に入れて渡す予定だったのに、入れる前にヒョンが来ちゃうから!」
「仕方ないだろ?……で、改めてだけど……これは、ヒョンにくれるの?」
「……ジンヒョンだから、あげるんです」
「そう……ふぅー……そうか……なら、今貰っちゃおうかな。いただきます」
サクッ……もぐもぐ……
照れ隠しで押し付けちゃったけど、よくよく考えたらそうだよね。ジンヒョンは僕が口に押し付けたクッキーを取ると、その場で食べてくれた。どうだろう……割れたやつを味見した時は、特に変な味はしなかったけどな…
「……………」
「……ん、美味しいよ?甘さ控えめだし、シンプルな味で……割れてるやつもちょうだいよ」
「嫌です」
「やぁー、折角美味しいのに?」
「……割れてるのは、気持ち的に嫌なんです。…僕は、ヒョンへの気持ち割れてないですもん…」
どうやら、口に合ったようだ。良かった…!苦手でも諦めずに作った甲斐があった。他のも欲しいと言ってくれたが、全部割れてるしな…割れてるハートは特に渡したくない。本命には、綺麗に出来てるやつだけあげたい。想いを素直に口に出せば、一度そっぽを向き、少ししてから再びこちらを向くと頭を撫でてくれた。…大きくて、あったかい手。…そう言えば、さっきまで寝てたんだもんな。
「ヒョン、寝ないんですか?」
「……もう寝るよ?」
「…バレンタイン、足りました?」
「うんうん、足りたよ。十分すぎるくらいだ。…ちなみになんだけど」
「?、はい」
「足りたよ?足りたんだけど、追加で何か欲しいなー…なんて言ったら、困る?」
「………追加……?」
「例えばだよ?あくまで例えばなんだけど…一緒に寝る、とか……お風呂、とか…例としてね?」
ヒョンに寝るか聞いてみれば、もう寝るらしい。本当は水を飲みに来ただけだもんね…バレンタインも、足りたみたいで良かった。しかし、ヒョンはところどころ曖昧な言い方をしながらバレンタインの追加の話を持ち出してきた。…やっぱり、足りなかった?それなら申し訳ないな……でも、寝るのもお風呂も、ジンヒョンとくっつかなきゃいけないと考えると、とてもじゃないが恥ずかしくて出来ない。だって、まだ手すらちゃんと繋いだ事ないのに……いや、ここは勢いに乗ってしまうのも良いのかも!!
「な、なら、これ片付けた後…部屋、行っても良いですか?」
「…え?」
「…い、一緒に、寝るんですよね?」
「……本当に?」
「……………」
これ以上は恥ずかしくて言えない。というか、声が出ない。代わりにこくん、と頷けば、しばらくポカン、と放心したような顔をした後、リビングに置いてあるソファに座るジンヒョン。…寝るんじゃないの?
「ヒョン?」
「……片付け」
「……はい」
「…片付け、終わるまで待ってるから。終わったら、一緒に部屋に行こう?それまでにヒョンも水飲んじゃうから」
「………は、い………」
何それ…何それ!僕がバレンタイン貰ってどうするんだよ!ふわふわと気持ちが浮いていくのが分かるが、まずは片付けなきゃ!大急ぎで不出来なクッキーをタッパーに詰め、天板やボウル等の使った器具を洗って立てかける。キッチンに飛び散った生地も綺麗に拭いて…と。よし!
「お、終わりました!」
「ん?早いね」
「だ、だって……早く、一緒に、寝たい、し…」
「……うん……はぁー……持ち堪えろ…気合いだ……(小声)」
「?」
「何でもないよ。早く片付けしてくれてありがとう。……部屋、行こうか」
「……はい……」
ジンヒョンと一緒に寝るなんて、ぶっちゃけ心臓が五月蝿くて眠れる気がしない。どうしてもならジンヒョンが起きた後に自分の部屋に戻ろうだなんて考えていたが、いざ部屋に行き、一緒のベッドに入れば、暖かさと安心する匂いで一気に瞼が降りてきて、すぐに意識がなくなってしまった。予定とはだいぶ違ったけど、良いバレンタインになった……かな?
「……ふふ……ジンヒョン………」
「……可愛くて寝れないんだけど…!(小声)」
1日遅れてしまいましたが、バレンタインのお話しでした。私も、形はどうしようもなかったですが、家族と職場の人に渡しました。何とか口に合うものを作れて良かったです…日々、作っておくべきだなと思いました。
長いお話しになりましたが、ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
コメント
2件
うぐっ……🤦♀️2人の初々しさにやられてしまいました😇😇コメント遅れましたがいいバレンタインになんかとてもありがたみを感じました🤣🤣 次回も楽しみにしてます!自分のペースで頑張って下さい!!