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まず初めに──
※夢主の名前は「仁宮羽奈」という名前で設定しておりましたが、 全て○○ で統一するようにしました。
どの方でも沢山お楽しみいただけるかと思います。
また、この作品は
苗字と名前を設定することを心強くお勧めいたします。
「呼ばれ方解釈についてです。(私の場合)」
夏目→苗字
ニャンコ先生→苗字
名取さん→名前+さん
的場さん→苗字
OC
アキナさん→名前
(各キャラそれぞれの解釈にお任せいたします。)
私は幼い頃から変なものを見た。みんなにはみえないそれらは妖怪と言われる類らしい。わたしはこの優しい、不思議なものが大好きだ。私の産まれたこの広い世界で、他の人が見えない生き物が私に見えることが嬉しくてでもどこかで寂しいと思った。
私のクラスには妖怪が見えるらしい男の子がいる。 名前は夏目貴志さん。亜麻色のふわふわした髪型に、黄土色の目。学級委員の笹田さんに聞いてみれば彼は幼くして両親をなくし、親戚を転々としていたらしい。彼は何もいない場所に時々誰かに話しかけているような様子をとる。
それと、会話できる妖たちが「友人帳の夏目」「夏目がいる」とよく言ってくるから、彼はきっと妖怪たちとお話をすることができるんだろう。そう知っていたが、私は話しかけなかった。どこか近寄りがたく、私が彼と妖について話すことは稀有な目で見られたり、夏目さんに余計な噂が立ってしまったり、学校でまで妖の話をするのは彼の心的 にはどうなんだろうと気が引けたこと。
それと私のお友達が「彼と関わるのはやめた方がいい」と教えてくれたから。
彼が転入してきてしばらくだったある日、席替えを行ったがまさかの彼と隣の席になった。
「よろしく、夏目さん。」
「あぁ、よろしく。」
私が彼と話すのは、精々事務連絡くらいだけど。行動から分かったこともある。学校が終わったらすぐに帰ったり。北本さん、西村さん、田沼さん、多軌さん、笹田さん。彼らとよく出かけたり、喋っているみたいだ。彼の頭はそこまで良くはなく、恋人もいることもないみたいだ。
私は友達の狐の妖怪のアキナさんが常にいる。普段はきつねの型をしたキーホルダーとして学校では鞄の中にいるが、たまに机の上にでてきたりした。でも夏目さんとの関わりが増えて欲しくないと思って、アキナさんには夏目さんの視界に出てこないようにと念を押している。が、しかし。アキナさんは妖力は強力らしく、夏目さんはそれに感じ取っているのか視線を私の鞄に向ける。
「…夏目さん、どうかした?」
「あぁ、いやなんでもない。」
なんでもない。これは彼の口癖なのだろう。
ホームルームが終わったあと、夏目さんは私をつけてくるようになった。きっとアキナさんの事だ。遠く離れているがアキナさんが気配を教えてくれた。「アキナさん少し妖力おさえて」と夏目さんに聞かれない小さい声でいい、アキナさんの気配が消えたからか「気の所為か」といって、彼は去っていった。
わたしは夏目さんがいないことを確認してから森の中に入っていった。
私が小さい頃から秘密の隠れ家にしている場所がある。 それは大樹の隙間の中で空気は涼しく、優しい光が差し込まれてくる。底には人見知りの優しい妖たちがいる。私が大好きでたまらない家族とも言える優しい妖。
いつも通り「ただいま」と中に入った。が、しかし、誰一人妖がいなかった。
いるのは私とアキナさんだけ。アキナさんが「ここはダメだ。○○、離れとけ」といい、九尾の姿になって私を背中に乗せて、遠く離れた道に置いてくれた。
歩きながら話を聞くと「…なにがいたんです」「あそこに居たのは全員やられた。○○は悪い妖が見え無いだろう。つい先程強力なやつが来たらしい。あそこにお前は居ちゃいけない。」
「夏目さんにも伝えなきゃいけないですかね」
「人間に伝えて何になるというのだ。」
「…それもそうです。でも、彼の友達がもし食べられてしまったら私みたいに嫌な思いをするかもしれないじゃないですか。」
私みたいに嫌な思いをして欲しくない。 アキナさん。行きましょう。夏目さんの家に。
私は近くにいた妖達に夏目さんの家を聞き出し、アキナさんに連れて行ってもらってインターホンを鳴らした。
「はいはーい。あらどちら様かしら?」と中には綺麗なお母様が出てきて、私はモジモジと髪の毛を触りながら、「あのっ夏目貴志さんいらっしゃいますか」と顔を真っ赤にして行った。
私は極度の人見知りである。だから初対面の人間にはこのようになってしまうのだ。妖なら平気なのに。
「あらあらまぁまぁ。待っててね、呼んでくるわね。」
たかしくーん!女の子からの呼び出しよー!!と、まるで誤解されているような呼び出し方をされてあわあわしていると中から、私が呼び出した本人が出てきた。
「どちらさ…ま…って…○○か?どうしたんだ?」
「あ、ごめんなさい。急に来てしまって。少しいいかしら。」
「いいけど。リビングでいいか?」「な、夏目さんの部屋がいい…です。」
先程でてきたお母様があらあらあらぁ、、たかしくんやるわねぇ。と頬に手を添えてちゃちゃを入れてくる。
「あ、違くて、、その、二人になれる場所の方が…」というと、
「いいよ。入りな。それにタメ口でいいよ。」と言ってくれて家にあげてくれた。
中の部屋はシンプルなもので頭の大きい猫ちゃんがいた。
にゃーん と猫にしてみれば少し渋い声で言う。
部屋の中に座って待っていると夏目さんはお茶とお菓子を入れてくれた。
「どうしたんだ?改まって。学校では言えなかったのか?」と言われ深呼吸をした。
「…夏目くん。あなた見えるよね。妖怪のこと。」
妖怪が見えるでしょと言ってきた○○の言葉に思わず俺は固まってしまった。
「驚かせてしまって、ごめんなさい。」最初から話さなくちゃね。といい、深呼吸をした。
「どういうことなんだ?」
「…私も見える側の人間なの。こっちは私のお友達のアキナさん。夏目くん、いつも私のカバンをジロジロと見てたわよね。」とにこやかにいった。
「あれはやっぱり、妖の仕業だったのか。」
「あなたは『友人帳の夏目』…だよね。」
友人帳の存在を人間に、しかもこんな近くの存在に 知られてしまった。
「…どこまで知ってるんだ?」
「ごめんなさい。あやかしが知ってることはほとんど全て知っているの。でも、誰にも言うつもりはないわ」
「それを直ぐに言わなかったのには訳があって…」
「私が関わるなと言ったんだ」と、アキナが慌てる仁宮をフォローするように言った。アキナは、俺と関わることで、○○に影響があることを防ぐためだったという。
「確かにそれも一理ある。英断だな。」とにゃんこ先生というと、 …猫ちゃんが喋った!?と鳩が豆鉄砲喰らったような顔をして固まってしまった仁宮がいた。
「その声、もしかして斑か?ブサイクになったな」とアキナが大笑いしていると
「ブサイクだァ?!このぷりちーな顔とぼでーが見えんのか節穴め。というか、その声は、樂だな」
先生、知り合いか?と聞くと、アキナとは腐れ縁でニャンコ先生と同じくらいの妖力を持っているらしい。つまり強力な妖のだろう。
「それで、○○。俺に一体なんの用で来たんだ?」ニャンコ先生とアキナが喧嘩しているうちに俺と仁宮は本題へと入ろうとする。
すると○○は深刻そうな顔で言った
「友達の妖怪がたべられてしまったみたいなの──」