(帰郷千衣沙)「……」
私は月を見ながら、水を飲んでた。
あの質問……本当に、驚いた。
まさか全員で考えていたとはな……
(帰郷千衣沙)「……6人から9人。」
(帰郷千衣沙)「私はその瞬間を見てた。」
嬉しかった。
また、あの子たちが一緒にいれる姿を
見られることが。
(帰郷千衣沙)「……懐かしいわ」
(帰郷千衣沙)「……」
月を眺めながら私は呟いた。
(帰郷千衣沙)「あと、どれくらいの時間であの子たちと一緒にいられるんだろう。」
人間は生が短い。
昔は人間50年と呼ばれていたな。
(帰郷千衣沙)「人間50年の間であの子たちは若くして先に行ってしまったんだから……」
(帰郷千衣沙)「……」
私はあの子たちが先に行っても
私は今日のように月を眺めながら
前世のことを思い出しながら
呟くんだろう。
(佐久間大介)「あれぇー?」
(佐久間大介)「まだ起きてたのー?」
(帰郷千衣沙)「ん、佐久間さん。」
(帰郷千衣沙)「眠れないんですか?」
(佐久間大介)「眠れないのぉ」
(佐久間大介)「隣、いい?」
(帰郷千衣沙)「ええ、どうぞ」
(佐久間大介)「最後の質問タイム」
(佐久間大介)「驚いたよ。」
(帰郷千衣沙)「……」
(帰郷千衣沙)「感謝してるから。」
(帰郷千衣沙)「ありがとう。」
(佐久間大介)「……いえ。」
(佐久間大介)「……千衣沙さん」
(佐久間大介)「……」
(帰郷千衣沙)「泣いていいのよ」
(帰郷千衣沙)「辛かったね。」
(佐久間大介)「ひっく……」
(佐久間大介)「ごめんな。」
(帰郷千衣沙)「大丈夫よ。」
(帰郷千衣沙)「あなたの事を見てるから」
(帰郷千衣沙)「どんな時も。」
(佐久間大介)「……本当にお見通しだね……」
(帰郷千衣沙)「当然よ。」
(帰郷千衣沙)「私は博麗の巫女」
(佐久間大介)「でも、博麗の巫女じゃないでしょ?」
(帰郷千衣沙)「今はね。」
(帰郷千衣沙)「でも、事実よ。」
(佐久間大介)「……」
(佐久間大介)「疲れちゃった。」
(帰郷千衣沙)「……」
(佐久間大介)「笑顔でいることがね」
(帰郷千衣沙)「……無理に笑わなくていい」
(帰郷千衣沙)「私の前でこうしていて」
(佐久間大介)「……え?」
(帰郷千衣沙)「ありのままの佐久間さんでいて欲しいの。」
(帰郷千衣沙)「笑える時は笑って。」
(帰郷千衣沙)「笑えない時は笑えなくていい」
(佐久間大介)「……っ!」
(佐久間大介)「千衣沙さんの言葉の重みが違う……」
(帰郷千衣沙)「……何年も生きてきたからね」
(帰郷千衣沙)「大丈夫だよ。」
(帰郷千衣沙)「私がいるからな。」
ギュッ……
(佐久間大介)「千衣沙さん?」
(帰郷千衣沙)「ごめんね、そばにいられてあげられなくてごめんなさい。」
(帰郷千衣沙)「昔のようにそばにいれなくてごめんなさい……」
(佐久間大介)「昔はこんな風にそばにいたの?」
(帰郷千衣沙)「ええ、そうよ。」
(帰郷千衣沙)「今のように来ていたわ。」
(帰郷千衣沙)「それに毎日。」
(佐久間大介)「……!」
(佐久間大介)「……本当に頼っていいの?」
(帰郷千衣沙)「ええ、いいのよ」
(帰郷千衣沙)「あなたはひとりじゃない」
(帰郷千衣沙)「私、メンバーがいる。」
(帰郷千衣沙)「なんでもいいから頼って」
(佐久間大介)「……うん、分かった……」
(佐久間大介)「……なんかスッキリした。」
(帰郷千衣沙)「そう、良かったわ。」
(帰郷千衣沙)「私もそろそろ寝よう。」
(佐久間大介)「眠くなってきたし」
(佐久間大介)「寝ようか。」
(帰郷千衣沙)「うん、またね。」
(佐久間大介)「またな。」
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