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#ダンジョン配信
百鬼清風
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#料理
Yさん。
47
やがて紬が、スプーンを持ったまま小さくリズムを取った。隣の莉音も、同じ速さで足先を動かしている。
「莉音ちゃん、今日すごく合わせやすい」
「私も思いました。いつもよりタイミングが合わせやすいかも」
「店の中で踊るなよ」
「踊りません」
二人の返事がきれいに揃った。
「今のも、合わせたのか?」
「違います。でも、やっぱりバフ飯の効果かもしれません」
「オムライスを食っただけだろ」
「ライブで確かめます」
飯を食う前から元気そうだったのに、何を確かめるつもりなんだ。
二人が食べ終えるころには、外の客の列も途切れていた。
莉音は皿に残ったケチャップまできれいにすくい、大盛りのオムライスを全部食べる。
「ごちそうさまでした。また来てもいいですか?」
「他の客と同じように並んでくれるなら、いつでも来ていいよ」
「次も大盛りにします」
「莉音ちゃん、次は私も大盛りにするから」
「おう、大盛り待ってるよ」
紬が俺のスマホを手に取る。
「晃一さん、今日のライブは公式ページで配信されます」
「勝手に触るな」
「配信ページを開くだけです。店が終わったら見てください」
紬が、公式ページのURLを登録した。
「見られたらな」
「見てください」
「うーん、まあ、出来るだけな」
紬は、満足そうにスマホを戻した。
「行ってきます」
「ライブ、うまくいくといいな」
「晃一さんが見てるんだから、必ず成功させます」
「いつも通りでいいんだ。平常心だぞ」
俺は、並んで出て行く二人を見送った。
コメント
1件
第15章、拝読しました。お店の日常風景の中に、紬ちゃんと莉音ちゃんの息の合った様子が自然と滲んでいて、すごくほっこりしました。スプーンでリズムを取る場面、タイミングが合うって言い合うところ、そして晃一さんの「踊るなよ」のツッコミがもう絶妙で。ケチャップまで綺麗にすくう莉音ちゃんの描写に、彼女の性格がちゃんと現れているのも好きです。晃一さんが「出来るだけな」って言いながらも配信ページを登録されても怒らない距離感、いいですね。ライブ、見に行きたくなりました。次回も楽しみにしています。