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報告がてら光貴の実家へお邪魔した。

その後新藤さんが設計図を持ってくる約束をしているため、自宅に戻ってきた。その帰りに新藤さんに渡す御礼品を買っておいた。

マイホームの打ち合わせがあるので、夕飯は光貴の実家で用意してもらったものを食べた。光貴はゴージャスにステーキ肉を、食べ物が受け付けない身体になってしまった私は、蜂蜜梅をすりつぶしたあんかけのお粥を食べた。

女子力低い私は料理があまり得意ではない。光貴のお義母さんの手料理にいつも感動する。どれも美味しい料理ばかりなので、お義母さんのお膝元で花嫁修業をしなければと思った。落ち着いたら色々教わろう。


家に戻ってから、新藤さんが来るまでの間ソファーに座ってだらけていたら、インターフォンが鳴った。もう新藤さんが来たのかと思い、ソファーに座り直したら、中に入ってきたのはさっちゃんだった。


職場上司のさっちゃんは、プライベートでも仲がいい。なぜなら、オタク仲間だから。

独身の時からお互いの家を行き来している。さっちゃんは神戸駅周辺の一人暮らし用マンションに住んでいて、私の家から近い。心配でお見舞いに来てくれたのかな?


「さっちゃん、どうしたの?」


上司兼友人のさっちゃん。あまり上司感がないのは、敬語じゃないからだと思う。


「あー、やっぱりうち(私)が送ったメッセージ読んでない! クラウド設定しに行くって連絡したのに。もー」


可愛い顔を膨らませながら、さっちゃんが言った。ずかずかとこちらへやって来て、ソファーに座っている私の隣にボスンと勢いよく座って来た。

光貴にハンドバッグからスマホを出してもらって確認すると、確かにさっちゃんから立て続けにメッセージが入っている。


見ていなかった方も悪いけれど、こちらにも都合というものがあるのですが……?


ホント、強引。まあ、こういう性格だと知っているからいいけどね。


「今日は光貴の実家に行ってて、今からマイホームの打ち合わせがあるからさっき家に帰ってきたところなの」


「そっか…それはごめん。まさかりっちゃんに予定あると思わなくて。つい、家まで来てしまったよ、あはは。今から打ち合わせあるん?」


「うん、だから…」


「じゃ、さっさと終わらせて帰る。折角来たし、クラウド設定だけはやっていく。スカイプも設定までしておいたら、仕事で困らないと思うし。丁度いいやん」


さっちゃんは言うが早いか、私のノートパソコンを持ってきてと光貴に命令した。

光貴は、はいはい、ただ今取ってきます、と言って仕事部屋兼ギター部屋からノートパソコンを取って来てくれた。


「報酬はりっちゃんのおっぱいで!」


さっちゃんがドヤ顔で言い放った。

もう……。目的はこれしか無いの?

やや変態ちっくな友人だが、パソコンの腕はピカイチなのだ。職場のネットワーク環境や設定は全てさっちゃんが行っている。しかし報酬におっぱいというのは…冗談でも笑えない。

光貴が持ってきたノートパソコンに、手慣れた様子でパスワードを打ち込んだ。パスワードは『Hakuto』。

仕事で使うノートパソコンの環境を整える時のものを、未だに覚えているのだろう。


さっちゃんは仕事が早く、あっという間にクラウド設定にスカイプ導入、更には職場のみんなとの会話ができるように繋げてくれた。

短時間でオンライン会議ができるような設定までやってくれたので、とても助かった。


丁度それらの設定が終わったところで、インターフォンが鳴った。今度こそ新藤さんが来たのだろう。


「あっ。新藤さんが来たかな? 僕が新藤さんと打ち合わせをしておくから」


「光貴君。うち、もう帰るわ。設定終わったし」


「まあまあ、そう言わずに」


腰を上げようとしたさっちゃんを制して、光貴が玄関に出てくれた。

リビングには、私とさっちゃんが残された。


「マイホームなんていいなぁ、羨ましいわ。私も早く結婚したい。誰かいい人いないかな?」


「そうだね。いたらいいけど……」


「りっちゃんは光貴くんがおるから、いいやんっ」


「まあ……そうだけど……」


どう切り返していいのか。


「で、今から来る営業マンの人ってカッコいい?」


「ん、まあ……」


スーツが超絶似合っていて、眼鏡も似合う鬼カッコイイ男性! と張り切って言いたいが、さっちゃんに余計なことは言えず、お茶を濁してしまった。


「あ、律さんこんばんは。ご友人の方がいらっしゃっていたのですね」


中に入って来た新藤さんが、丁寧に挨拶して爽やかな笑顔を見せてくれた。

ややだらけ気味にソファーにもたれていたさっちゃんが慌てて背筋を伸ばし、私の耳元で囁いた。「誰っ、あのイケメン眼鏡は!?」


「あ、マイホームの担当してくれている営業マンのひと」


「えっ、打ち合わせに来るって言ってた人!? 今、カッコイイかどうか聞いたやんっ!」


「ああ、うん、まあ」


しまった。さっちゃんは肉食獣だった。彼女の目がギラついたものになった。


「めちゃめちゃカッコいいやんっ! 萌えるー、素敵っ! 美波(みなみ)先生の『鳥井教授』シリーズに出て来る教授みたいっ!!」


『美波先生』というのは、有名なBL(ボーイズラブ)の同人作家のことだ。彼女は筋金入りの腐女子でBLが大好物。美しい文章と秀麗なイラストを描く美波先生の大ファンで、彼女の自費出版しているBL小説をこよなく愛している。

どうやら新藤さんは、さっちゃんお気に入りのシリーズに出て来る、『鳥井教授』というキャラクターに似ているらしい。

DESIRE -堕ちていく あなたに奪われる- ~この愛は、罪~【完結】

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