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n217(エヌ・ニイナ)
しめさば
#ファンタジー
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「名前をください」って頼むシーン、めっちゃ胸にきた…!まだ名前すらない青年が、モクネさんにだけは名前をもらいたいって思えたの、すごく重みのある瞬間だよね。しかも引きずり込んだ話とか照れ隠しみたいで可愛いし、最後の餌付け感が尊すぎてニヤけた🥀 ちゃんと傷を癒してる空気が伝わってくる…続きが気になる!
こんな風に目覚めたのは初めてかもしれない。
そう考えながら私は空中に放り投げられていた。
「…ッぐ」
浮遊感で目覚め始めた意識が平面との激突で完全に目が覚めた。
「いってぇ…」
強烈な目覚めの余韻を誤魔化すようにぶつけた所を擦りながら体を起こす。
「いきなり投げるとは…元気になったようだな」
そう言いながら犯人であろう人物に目を向ける。
朝日に照らされ美しく浮かび上がるヴァイオレットの髪と山吹色の瞳。
息を荒らげながらこちらを見ている。
「ここはッどこだ!お前は誰だ!なぜこんな…!!」
激しい動揺を見せる青年。まぁそりゃそうか。
「ここは移動式酒場、宿り木。私はそこの店主だ。」
感情的にならず淡々とした声で伝える。
相変わらず相手はまだ興奮しているようだ。壁に背をつきイモリのように引っ付いている。
「なぜ…かは私も知らぬ。青年が店の入口で倒れたから、綺麗にして処置もして寝かせた。」
パッパっと自身の身なりをぐるりと確認し「そうか…」と呟く。
かなり落ち着いたようでこちらを伺うように目線を合わせてきた。
「…なぜおなじ寝具で寝れた」
ぽつりととても小さな声で尋ねた青年。
「様子を見に来たら、君に引きずり込まれた」
「…え?」
目をまんまるくして驚く青年。無自意識だったのか…
「振りほどこうにも、君の力が強くて諦めて寝た。それが昨夜の出来事だ」
「そうか…」
壁から少し距離を取り、と再びつぶやき独り言をボソボソと喋り始めた。
すっかり落ち着いた様子の青年。ひとりの世界に入っているようだ。今のうちに散らかった寝具を片付ける。
じっとこちらに熱い視線を向ける青年。
「…あなたの…名前を聞いてもいい…?」
「…モクネ。それが私の名前。」
「モクネ…」
恥ずかしそうにもちょっと呟く。
「君の名前は?」
「俺の名前は……」
少しの間の後、決心したかのように口を開く。
「名前はない。良ければあなたがつけてくれませんか…?」
予想外予定案に少し面食らった。
「ん〜。私はいいけど…君はいいの?」
こくこくと頷く青年。
「あなたがいい…です。先程の態度はごめんなさい…」
しょもっと落ち込む青年。
「別にいいよ。気にしてない。」
ポンポンと頭を軽く撫でる。
「名前かぁ…少し考えたい。」
考えながらも手は止めはい。なんて手触りのいい髪の毛なんだ…
「モ、モクネさん…!その…」
顔を赤くしながらもにょっと話したその直後…
ぐぅ……
鳴り響く腹の虫。なんだお腹がすいてたのか。
「あ、あの…その…うぅ…」
更に顔を赤くする青年。
「名前を決める前にご飯にしよう。さ、着いておいで。青年。」
「…!!はい!」
ひよこのようにぴこぴこと後ろを着いて歩く青年。サイズ的には全然違うが…
「そこの椅子に座ってて。今作るから」
椅子にちょこんと座りソワソワと周りを見渡す青年。
「ちょっと見て回ってもいい…?ですか?」
「ここの部屋の中ならいいよ。出来たら呼ぶ。」
こくこくと頷き部屋の中を探索し始めた。
「さてと、ちゃちゃっと作るか」
硬くなったパンをスープに浸し、残っていた肉や豆を追加。チーズを乗せてオーブで焼き上げた。
「せいねーん。出来たぞー」
そう呼ぶと足早に戻ってきて席に着いた。
「 昨日の残りもののアレンジだけど味は保証するよ」
「わぁ…凄い…美味しそう…」
スプーンを握りフーフーと冷ましながら食べ進める青年。はふはふと百面相しながらも黙々と食べ進める。
ものの数分で器の中は空になった。
「美味しかったです…」
「お粗末様。まだあるけどおわかりいる?」
「?! 是非!!」
なんか和むな…あ…あれか…
動物に餌付けしている時の気分に似てるな…