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ガヤガヤと話す人の声。入り混じって超音波のように聞こえる機械音に電子音。ビュービューと強く吹く風の音。
💖(やっぱり無理だ……………)
挑戦しようと試みたものの家を出てすぐに諦めてポケットの中を探る。
朝に慌てて突っ込んだイヤホン。
ちなみにノイズキャンセリングのものだ。
キーッ…ザーッザーッ……ピッ…、……………………
少しずつ緩和されていく音にほっと息をつく。
彩度の薄い景色。雑音のない世界。
__うん、やっぱり安心する
また学校に向かって足を動かす。
心做しか足が重い。
学校初日だからだろうか。
”変な奴”
ふと脳裏に嫌な記憶が蘇る。
💖「っ…………………」
💖(だめだ…………気にしない……)
周りの目も気にせずぶんぶんと頭を左右に振る。
💖(…………………白、黒………)
何故だろうか。
ふと空を見たくなってメガネを外す。
💖「っ………………………」
僕の瞳に映った水色の空は鬱陶しいくらいには眩しくて
普通の人なら綺麗だと言えるようなその空は僕にとっては煩わしくて
やっぱ無理だなぁなんて考えて学校の方角に足を向けた。
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💖(来てしまった…………)
もう今から帰ろうかなんて考えが頭を横切る。
何を隠そう、僕の目の前には結構大きな校門が立っている。
今日から僕が通う学校の。
💖(もうやだぁ……………………)
心の中で周りに呆れられるくらいの弱音を吐く。
正直なところもう今すぐにでも帰りたい。
💖(いやでも今日くらいは……ね、)
ふぅ、と息を吐いて一歩一歩と足を動かす。
大きな校門をくぐり、うるさいぐらいに騒ぐ人混みの中を通り校舎の前まで行く。
校舎の前では先生らしき人が新一年生らしき人に手紙を配っていた。
周りの話し声からするにクラス表らしい。
♡「どうぞ~」
💖「ぁ、ありがとうございます……」
ついついキョドって小声になってしまう。
これじゃ不審者みたいだ。
慌てて手紙を受け取り自分のクラスへと向かった。
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💖「ふぅ…………………」
今日で何回目かと突っ込みたくなるくらい目の息を吐く。
ちなみに、ここは教室の前。
紛れもなく僕の教室。
💖(僕の教室………だよね?)
不安になってクラス表と教室のクラス表記を見比べる。
💖(……うん)
1‐B。大丈夫。合ってる。
💖「ふぅ………大丈夫、大丈夫……」
またもや息を吐いて自分に大丈夫だと語りかける。
そして
ガラガラッ……
教室のドアを開ける。
既に教室に入っていた人が一斉にこちらを見る。
もう3分の2ほどの人数がいる。
耐えきれなくて下を向き、黒板に載っている自分の席を確認しに行く。
💖(も……………)
💖(……あ、あった)
位置を確認して席へ向かう。
はぁ………とまたもやため息をついて席に座る。
学校に来ただけなのに1週間分の疲れを感じた気がする。
メガネの位置を直して周りの人を見渡す。
この学校は校則が緩いらしく、髪色が明るい人がちらほらいる。
その中には一際目立つ水色の髪の生徒もいた。
どんな神経をしているのか理解できない。
💖(よく明るい髪で学校来れるよな……)
はぁぁとまたため息をつく。腕の中に顔をうずめてなんとなく寝たフリをする。
💖(これでホームルームまで乗り切れば……)
♡「…ねぇ……ねぇ!!」
💖「?!」
寝ようと(するフリを)したら急に声をかけられた。
何だよ、人が寝ようと(するフリを)してるのに
誰だろうと声のする方に顔を向けて目を見張る。
♡「?どうした?なんかついてる?」
僕の瞳に映ったのは
サングラス越しでも分かるくらい
鬱陶しいくらいに輝く
水色の髪をした生徒だった。
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【𝐏𝐫𝐨𝐟𝐢𝐥𝐞】
💖てるとくん
も��� てると
新高校1年生。Bルーム。
メガネとノイキャンイヤホンは必須だとか
髪色が明るくないらしい……?
𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮 𝐟𝐨𝐫 𝐰𝐚𝐭𝐜𝐡𝐢𝐧𝐠.