前回の続きです。
…………………
sm視点
俺がいつも通りみんなを煽ろうと姿を表したとき、皆の目は何故かどこか暗くて
俺はなかむに会って早々抱きしめられそうになった
しかし、もちろんその手が俺に触れることもなくいつも通り俺の体をすり抜ける
sm「???何してんの?」
nk「………ぁ、あ……すま、いる……」
そう小さく俺の名前を呼び絶望したかのようにへたり込むなかむに、俺は困惑する
わけがわからなくて、とりあえず今はそっとしといてやろうと思い
俺は姿を消し違うやつのところに向かった
nk「……っ、まって…おねがい、、きえないで、、、やだ、いやだ………」
なかむがそんなふうに泣きじゃくっているとは知らずに
その後も、俺はみんなをいつものようにいじりに行ったのだが……全員なんだか様子がおかしくて
ぶるーくはずっと虚ろな目で何かペンダントのようなものを手にベットで横になっていたし
シャークんは普段は使わないようなナイフで何かを細かく刻んでいてなんか怖かったし
きんときはいつもは俺が話しかけても無視するくせに今日は逆に俺に必死に話しかけてきて変だったし
きりやんは虚ろな目をしながら俺の墓らしきものをスコップで掘り起こしてるしで………
結局その日は珍しく相手をしてくれるきんときとの会話を楽しんだ
sm「にしても珍しいな、きんときから話しかけてくるなんて……なんかいいことあったの?」
kn「……ん~、どちらとも言えないけどね……ねぇ、スマイル……スマイルはさ、俺等のこと好き?」
そう少し悲しげに俺にそんな問いをしてくるきんとき
俺はなぜそんな問いをされたのかがよく分からず、とりあえず率直に思ってることを伝える
sm「……わかんない、、そもそも最近はほぼ昔の記憶も無くなってきてるから……まぁ成仏出来てないってことは好きだったんじゃねーの?知らないけど」
kn「そっ、かぁ……」
そう、幽霊になってから俺は生前の記憶を徐々に失っていった
今ではもう生前こいつらをどのように思っていたのかもわからないから
とりあえず今は名前だけはわかるこいつらに暇つぶしに話しかけてるだけ、ただそれだけだった
俺がそう言うと、どこか泣きそうになりながらも乾いた笑みを零すきんときに
やっぱり今日はみんなどこかおかしいなと思い、俺はきんときにそのことについて問いかけた
sm「……ねぇ、なんか今日皆様子おかしくない?……なんかあったの?」
kn「…………」
俺がそう聞いた瞬間、きんときは一瞬無言になり
そしてその後すぐに頓珍漢なことを言い出した
kn「……俺等全員、騙されてたんだ……それで本当に大事なものの見分けもつかなくなって、、ほんと馬鹿だよね」
sm「……?」
だま、された………騙す、、あれ?そういえば俺も生前、あの女に騙されてたよな……
どんなふうに騙された?かは覚えてないけど……
自身を騙した相手をヒロインと呼ぶくらいには、すっかり忘れてた……
まぁ今コイツラを騙せるのも、あの女くらいしかいないしな
きっと何かしらの形であの女にコイツラは騙されてしまったのだろう
そんなことを頭で考えながら、俺ががぼーっとしているとふときんときが俺の頬に手を伸ばしてきた
sm「?…やっぱり今日なんかへん…kn「ねぇスマイル、」っ?」
kn「きりやん達の実験が成功するまで、、絶対に消えないでね?」
sm「…………」
そう暗い瞳のまま俺に笑みをこぼすきんときに、思わず背筋が凍る
それに実験って……今日きりやんが俺の墓を掘り起こしてたのも、何かそれと繋がっているのだろうか?
そう最悪な仮説を考えれば考えるほどなんだか怖くなり、俺は逃げるようにその場から姿を消した
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