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初めてだった。
こんな思いをするなんて。
3年に上がって早2週間、何の変哲もない、つまらない日々だった。
ただ、僕の隣は2週間全て休みだった。
名前も顔も、全て知らない。
転校生か、それとも2年間同じクラスじゃなかっただけか。
(何かあったのだろう)
そう思い、何も気にしていなかった。
ただある日、いつも通りの時間、いつも通り教室へ向かうと僕の隣には男の子がいた。
綺麗な顔立ちで、でも身体は僕よりも小さい。
僕の中で時間が止まった。
初めて、僕は恋をした
ずっと、女のことは遊び、男には恋なんてするはずない。そう思っていたのに
そうすると、低くも高くもない、落ち着く声が近くで聞こえた
「どうかしました?」
そう声が耳に届いた時、僕の中でようやく時間が動いた
目の前には小柄な先程から見ていた男の子。
「あ、あぁ、ごめんね。僕は平気だよ」
咄嗟に誤魔化しながらも席へ行く
「あ、俺の隣だったんですね。これからよろしくお願いします。 」
そうやって可愛らしい笑みを浮かべた。
名前を見ると「速水俐斗」と書いていた。
「俐斗くんって呼んでいいかな?それより、なんで2週間も休んでたの?」
「あぁ…実は、俺男に去年告白されて、振ったらストーカー紛いなことされて、メンタル的にやばかったんですよ」
は?俐斗くんのことをストーカーした?
「それ、いつからあったの?」
「えっと、確か10月頃でしたかね?ずっと俺の家来て「俐斗くーん?学校来なよ〜」って。怖くなって、」
気持ち悪い。でも、俐斗くんのこの優しさと顔立ちでなら納得がいく。
「それより、香山さん?」
「伊織でいいよ。敬語もやめて。」
「伊織はさ、両性愛者ってどう思う?」
「両性愛者か…僕はいいと思うけどね。」
「そっか、!」
あぁ、可愛い。
いいと思うと言っただけで、凄く笑顔になって。
「伊織って甘いもの好き?」
そう聞かれると、少し戸惑ってしまった
「え?あぁ、好きだけど…」
話の変え方が下手くそすぎる。でも、そこまでも可愛いと思ってしまった。
「ならさならさ!これ食べいこ!?」
笑顔でクレープを見せつけられた。
「うん、いいよ。放課後行こっか 」
断れるわけがなかった。
「よっしゃ!んじゃ放課後置いて帰んなよ!?」
「隣の席なのに?笑」
「あ、そっか!」
本当に、可愛いんだから、
僕が 守ってあげないと
あっという間だった。俐斗くんと2人きりのことを考えていると、本当にすぐだ。
「伊織ー!早く行こ!!」
そうやって笑う君を見ると、どうしても不安になってしまう。
僕以外にその笑顔を見せたら、またストーカーなんてされたら。
あ、そうだ。僕のモノにしちゃえばいいんだ。
でも、そんな簡単に出来るわけない、なら
周りから、壊していけば。僕だけに依存してくれる。
「俐斗くん、ちょっと待ってて。校門にいてくれればすぐ行くから。」
「ん?わかった!」
俐斗くんが行ってから、僕は残っていた生徒に「明日から俐斗をいじめろ 」と伝えた。
みんなが首を縦に振った。
そりゃそうだ、僕は去年、人を殴って病院送りにした挙句、学級崩壊にまでさせたのだから。俐斗くんにはその噂は広まっていない。休んでいたことで伝わっていなかったのだ。
明日には僕だけが俐斗くんを守って、俐斗くんは僕のことしか信じれなくなる。
そう思うだけで、僕の気分は上がった。
急いで俐斗くんの元へ行って、クレープ屋に行ったけど、味なんてどうでもよかった。
次の日、教室へ入ると皆が俐斗くんを軽蔑した目で見ていた。
「俐斗くん、どうしたの?」
そう話しかけた時には、俐斗くんの顔は涙で酷い顔になっていた。それよりも酷かったのは机だ。「いじめ野郎」「未成年飲酒」「未成年喫煙」などと俐斗くんがやった訳のないことが大量に書かれていた
「い、おり……俺、なにかしちゃったかな、」
泣きっ面で僕を見上げた。
酷い顔なのに、僕には可愛いようにしか見えなかった。
「大丈夫、俐斗くん。僕だけが、君の味方だよ。」
そう言って抱きしめると、俐斗くんは泣き崩れた。
あぁ……これで、君は僕のモノだ。
他の人なんて見なくていい、僕にだけ依存して、僕で壊れていけばいいんだよ。
そう思ってしまう自分が、憎くなった。
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コメント
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ええねぇ