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#トラゾー
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コメント
1件
うわ、もう…めっちゃ泣きそうになったよ…🥀 「別れてほしい」って言いながら泣いてるトラゾーも、それを受け入れられずに後悔するクロノアも、どっちも苦しくて切なくて。 最後にやっと本音を伝え合えたあの瞬間、すごく尊かった…。 「ずっと俺の恋人」って言葉、刺さった。 藍乃さんの描く“後悔と再会”の空気感、めちゃくちゃ好きです。
trkr(krtr)
バルーン様の楽曲「シャルル」の曲パロです。
展開は全て個人的な解釈ですのでご注意下さい。
BL要素、及び死ネタを含みます。
・ ・ ・
「クロノアさん…、俺と別れてほしいです。俺なんか忘れて、他の人と幸せになって下さい」
いきなりそんなことを言われて、困惑した。困惑、というよりは怒りの方が近いかもしれない。とりあえずその日は、軽く返事をして病院を出た。
そんな顔で言って、誰が信じるっていうんだよ。さよならを自分で言うくせに、なんで頬を濡らしてるんだよ。
そうやって今までの事も消してしまうなら、もういいと思ってしまった。
数年前から重い病に侵されているトラゾーは、俺の恋人だ。いや、拒絶された今、恋人だったの方が正しいかもしれないが。
この日、怒りとショックで碌に話さず出てきてしまったのを猛烈に後悔したのは、次の日トラゾーが亡くなった事を知らされた時だった。
・ ・ ・
花束を抱えて歩いた。
トラゾーの墓の前に花束を置いて、意味もなく街を見下ろした。
あの時から一応恋人は作っていない。理想の縁に心を置き去ってしまったように、トラゾーの物も、トラゾーにあげたかった物も、捨てられずにいる。
そのくせ、空っぽになって、それで、深い青で、他の人で満たしちゃったら、どうだろう。こんな風に悩めるのかな。なんて思うんだから、大馬鹿者だ。
君への愛を謳ってみても雲の上に飛んでいくだけ。会いたいけど、今ここにいるとしても、俺の心は濁りきってて、あわせる顔がないな。
俺がしたかった事を話してみたけど、遠く描いていた日々は、独り言として溢れていった。語っても、結局聞いてる筈無いんだから。もし今俺達が続いてたらどうなってたかな。いがみ合いばっかりでキリが無かったかもな。なんて、叶う筈のない妄想をしていたら、後ろから「クロノアさん、愛してますよ」と、トラゾーの声で聞こえた気がした。振り向くと案の定そこには誰もいなくて、
「ははっ…」
乾いた笑いだけが出て、その場を後にした。
・ ・ ・
綺麗な朝焼けとクロノアさんのため息。こんな山の上の墓地で、俺達だけの夢を見ているようだ。
何でこの人は俺が死に際に別れてって言ったにも関わらず、ずっと俺の墓参りに来るんだ。
もう忘れていってくれ。貴方が幸せなのが、俺の幸せだから。だからこそ、過去にばっかり囚われないで欲しい。
未練が残って今こうしてクロノアさんを見れてる訳だけど、話そうとは思わない。それでいつか、あの世で逢えた時苛まれるとしても、別にいい。こんな憂いも意味があると思ってる。
「恋」なんて綺麗な言葉で飾っても、俺から別れたわけで。「ほんとはずっと好きです」なんて汚れきった言葉を溢そうにも、遅いよな。
此処には誰もいない。だからと言って俺がクロノアさんの前に姿を現すことはないだろう。現したとて、「へぇ」で終わるだけだ。
もし俺が生きれたら、俺達の人生は混ざって、2人だけの果てになってたのかな、なんて考えてると、どうしようもなくなって、「クロノアさん、愛してますよ」と思わず言ってしまった。あの時、本音を言わずに別れちゃったから今後悔してて、自分の気持ちを押し殺しても、何もない。
何か言いたかったのなら、クロノアさんもそれを教えて欲しかったな。
階段を降りて行くクロノアさんを目に、本当にこのままでいいのか、と思って来た。いや、ずっと心の何処で分かっていて、迷っていたけど。結局俺らは変われないのかもな。そうでしょう、クロノアさん。互いのせいで今があるようなものなのに。
帰り道の階段で、やっぱりトラゾーに会いたいな、なんて考える。どうにもならない愛を雲の上に謳う。俺の心は濁りきってしまったけど、それでもよければ俺はいつでも待ってる。幽霊なんて信じて無かったけど、今だけは信じたい。
クロノアさんの前に姿を現す。彼は、驚いたような、泣きそうな顔をして、それでも笑ってくれた。日に日に増えていた後悔を2人で語って、気づけば夜になっていた。
「クロノアさん、ごめんなさい。あの時、別れて欲しいなんて言って。ほんとはずっと好きです」
「もういいよ。俺こそ、断れなくて、ごめん。これから、ずっとトラゾーは俺の恋人だからね」
「はい…!クロノアさんもずっと俺の恋人です」
結局は意味もないのに許し合って。俺はどうやら、未練がなくなったらしく、消えそうだった。でも、今まで本音を溢してくれなかったクロノアさんに少しムカついて、哂ってやった。すると、クロノアさんも俺と同じように哂っていた。