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「あれー?みんな帰らないの?」

都月からもう帰ろうか、と急かされていた教官たち。けれど、帰る気配はない。

「はいはい帰りますよぉ〜。もう戸締りしちゃうんでしょっ」

「私もそろそろ帰らないとですわね。お兄様に怒られますわ…」

「でもマジカルシークレットではリリー先輩の方が立場上でしょ?」

「そうなのですがね…ひらり。お兄様怒ると怖いんですの…」

「へぇ…」

ひらりはリリーの兄…相馬の怒っているところを想像した。そして、すこしゾッとした。

喋っている教官たちの横では、彩がせっせと帰り支度をしている。岸も同様、帰る気だ。

「都月様が言っていた強力な結界…張るにはかなりの魔力が必要なんですが…足りますかね?」

「さぁ?それをどうにかするのが彼岸花、あんたの仕事でしょうよ」

「あと鶫さんだって拷問以外にも仕事してくれないと…」

「あのね。私は拷問科教官なのよ。わかる?」

「わかります」

彼岸花は黒いとんがり帽子を被り、帰っていった。

「じゃあ私も帰るわー。岸、せっかくだから途中まで一緒に…」

「嫌だ」

「酷っ!」

「そんなにはっきり言わなくてもいいじゃん!!傷つくんだけどっ」

「悪魔って感情ないんじゃないの?だって鶫は平気で拷問してるし」

「一緒にしないでくれる?じゃ〜」

と彩は怒って階段を降り始めた。まだ帰っていないのは四人…

次の瞬間。

バチン

「!?」

急に電気が消えた。

「えっ、ちょっ…うわっ!」

「あ、彩が転んだ」

彩は階段を降りている最中だったので、そりゃあ暗くなれば足元が見えなくなって転ぶだろう。

「あいたた…停電かしら…?」

「ブレーカーが落ちたのでは?困りましたわね。真っ暗で何も…」

「発火魔法〈ブレンネン〉」

「わっ!彼岸花!あんたまだいたの?」

「はい…」

魔法で少しは明るくなったが…全員が発火魔法を使った。

この建物の電気は全て消えたようだ。真っ暗である。おまけにここにいるのは教官たちだけ…

「お化けとか出たらやだぁ!!怖いんですけど!」

「いやひらり先輩…ここに悪魔、吸血鬼、エルフ…人外がたくさんいるんですけど」

「あ、そっか。でも根っからのお化けはいないじゃん!」

「いやこんなところにお化けいるわけないじゃないですかぁ…いたら殺すしねー」

「そっちの方が怖いのでは…?」

ぱちぱちと電気がつかないか確かめていると、岸はひらめいた。

「まさか、新手の攻撃…?」

「まさかイポクリジーアのやつがもう乗り込んできたの!?よし、ぶっ殺すかぁ…」

「彼岸花。気配する?何かの」

「…特にしないですけど…だって門の前にはリリー先輩の護衛がいますし。侵入者らしきものは…」

「とりあえずここの建物から出ましょう。えーと、破壊魔…」

「ストーップ!!駄目でしょそれはっ!」

「あら?修繕費払えば済むことでしょう?」

あ、こいつやばいな…と止めたひらりは思う。だって修繕費払えば何してもいいって思ってるんだもん。

「とりあえず、脱出ー!!」

「うぉーっ!!」

壊してしまった。ドアを。


その後、教官たちは本部のドアを壊したことで賠償請求を求められ、都月に叱られた。

そして停電の原因はやはりブレーカーが落ちたことだったそうな。

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