TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

「こんにちは…」

「蒼くんちょうどいいところに来てくれたっ!」

「えっ?なんですか?」

本部の扉(といっても壊れているから裏口)を開けたら、急にひらりさんが駆け寄ってきた。

「君の先輩が来てまーす。年も近いんじゃないかな」

「へぇ…?」

先輩?年の近い…?

なんかまたクズ系じゃないといいんだけど…

「えっと、初めまして。田中遥人、普通科です」

あ、なんか普通そうな人きた。安心。

「凪野蒼です」

「うん。よろしく…」

なんか普通すぎて反応に困るんですが…いやでも屑とか女好きとかじゃなくてよかった…

普通科の人は名前の通り普通なのかな…?

「よろしくやってくれたまえー!私は都月さんから新人教育の仕事をもらってるからね。あとは頼んだー」

「え…」

待って二人きりにしないで!!気まずいって!!

話すことないし、どんな人かよくわからないし…やばい人だったらどうしよう…

「凪野、でいい?」

「あ、はい」

「わかった。お前ってさ…この組織の人…特に教官達ってすごい個性的だと思わないか?」

「え?」

「いや、俺のいいたいことはな…」

「?」

急に何…?反応に困るんだけどぉぉ…

確かに個性的だとは思うけどさ。それ言っちゃう?

「だって掃除科さんはもうやばいし、拷問科さんはサイコパスだし、殺人科さんは近寄りがたいし…魔法科さんは無口だし、誘惑科さんはなんか…ちょっと…うん。普通科のひらりさんは普通っぽいんだけどねー…」

「めちゃくちゃ喋るんですね…」

いやまぁ、そんな感じは…ちょっとわかるけど。ちょっと何人か近くにいる人いるけど、まさか聞こえてないよね?

「だーれがやばいだってぇ?あぁ?」

「誰か近寄りがたいですって?」

「悪かったわねっ!」

「ごめんなさい。喋ることはめんどくさくて…」

「火炙りと水責めどっちがいい?」

ほらっ!!

でもトップの都月さんは何故か常識人(な気がする)なんだよなぁ…

どうしてだろう?

「あれ?そういえばトップの…なんだっけ?」

「都月さんのこと?」

「そうそう。教官の人には内緒で、もし侵入者が入った時のための訓練を、これからするって言ってなかったっけ?」

「え?そうなんですか?」

「うん。確かそのトップの人が侵入者のフリして入ってくるって…」

「え?」

「多分これぐらいの時間に…もうすぐ…」

そんな訓練するんだ…でもなんで教官達には内緒で?あ、後輩をどうやって守るかとか?そういう?

「彩、何してるの…?」

「え?岸、ターゲットがさぁ、カレーが好きとか言ってたからちょっと作る練習ーまた片付けよろしく。掃除科でしょ?」

「前にも言ったけどそういう意味の掃除じゃないんだよ…」

彩さんは岸さんと会話しながら大きな深い鍋の中に、切った食材を入れていく。

そしてぐつぐつと煮込んで…変なもの入れてるし…魔女の鍋だ…怖ぁ。

「なぁ…凪野。あれ、カレーを作ってるんだよな?」

「た、たぶんそうだと思いますけど…」

「ターゲットの人可哀想…」

「でももともと殺す人だから大丈夫なんじゃないですかね…」

これはちょっとターゲットの人可哀想。

次の瞬間。

『緊急!緊急!本部内に侵入者!!繰り返す!緊急!緊急!本部内に…』

「!!」

彩さんと岸さんがはっとする。すぐに二人は戦闘体制に。さすが。

「凪野、田中、一応防御魔法を張っていろ!!彩は火を切って…」

「もう切ってる!!彼岸花、リリー先輩は…」

「下を見てくるわ」

「了解!!」

彼岸花さんとリリーさんが階段を飛び降りる。物凄く判断が早い。さすが教官。でも都月さんが侵入者役なんでしょ?え?大丈夫かな…半殺しにされないといいけど。まぁ、トップだからなぁ…

「凪野くん後ろ!!」

いつの間に、後ろに侵入者…いや、都月さんが。

俺はすぐに離れる。で、次の瞬間…

「えーい!!」

「あーっ!!」

彩さんがカレーの入っている大きな鍋を侵入者に向かってばーんと…投げ…て…

見事侵入者に直撃。床はカレーまみれ。

都月さんどんまい…あれ火傷してないといいけど…

「あちち…彩、合格。だけど…このやり方はちょっと後始末が面倒かな…」

「嘘っ!都月様!?どうしよう…私…思いっきり投げちゃった!!」

「いや、いいんだよ、これ、訓練だし…教官たちの動きを見ていて、大丈夫だなと思ったよ。さすが。だから怒らないよ…う、うん…」

いやなんかすごい無理してる感じ…??

「いや、でも、なんとお詫びしたら…」

「都月さんが許しても私は許さないからね…これ片付けるの私なんだから!!」

「ごめーん」

「軽っ!」

「じゃあ訓練はこれにて終了。この片付けは彩と岸よろしく。あと彩は…」

「私?」

「こんど料理教室を開いて料理を教える必要がありそうだね…仕事に支障が出かねない…」

「えっ。でも、あのメイドも一緒ですかー…?」

「うん。たぶん」

メイド…?誰のことだろう。

「凪野。都月さんも大変なんだな…個性豊かすぎる教官たちに振り回されて」

「うん…」

マジカルシークレット

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

37

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚