テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

都道府県です、千葉埼です、流血表現、注意してね!!!





























深夜の4時になっても千葉が帰ってこない

いや、元から女遊びが激しいのは知ってたし、俺と彼奴はライバル関係だから仕方ないって思ってる

でも、これで11回目なんだ、流石に怒ってもいいだろう

千葉が帰ってくるまでゲームでもしてようかと思ったけど、ソファの上でぬいぐるみ抱えてジッと待ってよう

ガチャリとドアが開く音がした。もう5時になっていて、完全に朝帰りだ

「ただいま、埼玉」

「…おかえり」

もしここで謝ってきたら、許してあげようかな

「埼玉、お腹空いた。ご飯作って」

ま、こうなるとは思ってたけど

「その前になにか言う事ない?」

抱きかかえているクマのぬいぐるみをもっと締め付けながらそう聞く

「そんなの無いと思うけど」

返ってきたのは冷たい言葉

もう怒った

「朝帰りしたの今日で何回目?」

クマのぬいぐるみを隣に置き、静かにそう問う

「知らないよ。そんな事どうでも良いでしょ?お腹すいたって言ってるの」

ため息をして呆れた様な目で見つめてくる

「…俺達付き合ってるんだよ?なのに女遊びで朝帰りとか怒って当然だよね?後もう大人なんだからご飯くらい自分で作って」

自分にしてはキツく言ってやると、千葉は舌打ちしてこちらを睨んで来た

「何それ、そんなに俺の事嫌いなんだ?」

少し煽り口調でそう言ってやると、千葉は少し遠い所を見て

「そんなのどうでも良いって言ってるの!聞こえない!?さっさとご飯作れって言ってるの!!」

って、そう怒鳴ってきた

「だから!!俺ら付き合ってるんだよ!?俺はお前の奴隷じゃないの!!!」

そう言い返すと、千葉は少しビックリしたようにしていた

でも、直ぐにさっきの調子に戻る

「はぁ…あーはいはいそーですか…じゃあ良いよ、もう僕寝るから」

千葉は失望の眼差しをして自分の寝室へ急ぎ足で向かっている

すかさず隣に置いたクマのぬいぐるみをもって千葉の後を追う

「何で着いてきたの」

寝室のドアの前で、こちらへ振り返ってそう言ってきた

「…….」

正直、自分でも何で着いて行ったのか分からなかった

ただ、体が勝手に動いただけ

返事ができず、その場に沈黙が生まれた

「…ウザイよ、埼玉って。もう要らないや」

「え……」

沈黙を破ったのは千葉の最悪な言葉

「な、何言ッ…」

「要らないって言ってるの、聞こえないんだ?」

冷たい目で俺を見つめてくる

もう我慢できなくて、何かが途切れたみたいで

気付いたらクマのぬいぐるみを振りかざしていて、こんな事したらもっときらわれるって、要らないって言われるって分かってるのに

思い切り千葉をクマのぬいぐるみで殴った

「ッあ….」

すると千葉は体制を崩して倒れた

倒れただけなら良かった。でも、倒れたところは廊下の角

ガンッという嫌な音が廊下に響き渡る

「…え…ぁ…..」

思い切りぶつかって頭が切れたみたいで、床が赤い薔薇の花畑のように真っ赤になる

「ち…千葉!!」

倒れたままの千葉に駆け寄る

「千葉ッ…千葉!ごめッ…うぁ…あ…」

さっきまで憎たらしく思っていた相手に、涙を流す事になるなんて、誰が想像できただろう

千葉の頭からは生暖かい血がずっと流れている

まずは止血が先と思い、血塗れになった足で洗面所までタオルを取りに行く

洗面所までの道には真っ赤な足跡ができていた。ヘンゼルとグレーテルもビックリな道標だろう

「千葉ッ…千葉ぁごめんなさいッ…うあッ…」

タオルを深い傷に押し当てる

医療の知識なんて無いから、本当に出来ることをやってるって感じだけど、本当に必死なんだ、何でかわかんないけど

「救急車…呼ぶべき…だよね…」

ポケットに入ってるスマホを取り出そうとしたら、ガシッと力強く腕を掴まれた

「え?」

「…馬鹿なの?僕がこの程度でくたばる訳ないじゃん」

俺の腕を掴んだのは、間違いなく千葉だったんだ

千葉はゆっくりと体を起こし、頭の傷のある部分を手で触って、その手に付着した血を見て顔を顰める

「うわぁ、血塗れじゃん…そんで泣きすぎ」

「だっ…てぇッ…ほんとにッ…死んじゃったかもって…おもっ..てッ…」

千葉がクソみたいな事言ってきたのは勿論傷付いた

けど、不本意とはいえ恋人を本気で殺してしまったかもと思うと、異常なくらい涙が溢れて、本当に情けないなって

「…埼玉」

「んぇ…?ッ…!?」

優しい温かさに、突然包まれた

だって、千葉が俺の事を包み込む様に抱きしめたんだ

「ごめん…さっきは酷い事言っちゃった…本当はあんな事思ってないんだけど…その…」

ギュッと、先程より強く抱き締められる

「恥ずかしいんだけど…嫉妬して欲しくて…嫉妬してくれてるって事は僕の事大好きっていう証拠になるでしょ…?それを…感じたくて…」

弱々しい声で真実を告げられる

その真実は、きっと俺を騙すための甘い言葉に過ぎないのだろう

けれど、それを分かっていながらも、俺はこのまま千葉に嫌われるくらいならと…

「ぐすッ…いいよッ…大丈夫ッ…」

泣きながら、先程の行為を許してしまった

「ありがとう…埼玉は優しいね…」

頭を撫でられる

たかが頭を撫でられただけ、と思うかもしれないが、今の俺には暖かすぎるくらい、優しすぎるくらい、刺激が強すぎるくらいの事だ

「ごめんね…もうこんな事はしないから…僕、埼玉の事しか見ないからね…」

「うん…俺も千葉しか見ない…」

2人で、千葉の血で血塗れになりながら抱きしめ合った

知ってる、俺はどうせ千葉の掌の上で踊らされてるだけって

でも、それでも

俺は千葉が好きだから、それでいいんだ

この作品はいかがでしたか?

194

コメント

1

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚