※TwoTime(Boss)×Azure
「Azure」
「Two…Time?」
ブラックのスーツにネクタイ、フェドーラ帽を身につけた彼に一瞬誰か認識できなかった。
「いつもと雰囲気違うね……どうしたの?」
目元が隠れていて口元しか分からない。
それが不気味でつい後退りしてしまう。
「Azure」
近づいてくる彼に気が動転する。
彼が彼じゃない気がする。
(逃げなきゃ)
本能的にそう感じた。
逃げようと振り返ろうとした瞬間__
「ダメだよ逃げちゃ」
口元を抑えられ彼の体が背中と密着するのが伝わった。
「お願いだから従ってダーリン」
こんなのTwoTimeじゃない。今になって確信した。
息ができない、死んでしまう。
「ッはぁっ……はっ……」
やっと手を離されて呼吸ができるようになった。
地面に手をついて必死に呼吸に集中する。
「深呼吸、できる?」
背中をさすって深呼吸を施す彼に恐怖を感じる。
彼が始めたことなのに、どうしてそんな対応ができるのか。
何も分からない。何も分からないから怖かった。
呼吸が段々と安定してきて、涙が溢れる。
怖い。全てがおかしい。
「TwoTimeなの…?」
その問いに答える声は聞こえなかった。
限りなく彼に近い彼じゃない何か。
「怯えてる?」
彼の顔が近づいてくる。
強い香水の匂いがこびりついて離れない。
「こわい……」
震える声で呟くと、彼は驚いた後に不気味に微笑んだ。
「かわいいね、Azure」
頬を撫でられ身体がビクッと反応する。
恐怖心で体が固まってしまう。
「かわいい、Azure…」
彼の目的は何?いつものTwoTimeはどこに行っちゃったの?
「ん……すき」
突然抱きしめられたと思ったら唇が重なり、舌が入り込んできた。
「反応かわいい、Azureすき」
唇が離れると唾液がいやらしく伸びた。
「だめだよこんなこと…TwoTimeおかしいよ…」
引き離そうとしても手首を捕まれ頭の上に固定される。
床に倒れて馬乗りされてもう諦めるしかなかった。
「力抜いて」
そう言って彼は下半身に手をかける。
ズボンのベルトがカチャカチャと鳴って外れ、陰部が露出する。
まさか性行為をするつもりなのだろうか?
僕は絶望した、なんでこんなことになるのだろう。
「濡れてる」
彼の白くて細長い指がナカに入っていくのが分かって異物感に気持ちが悪くなる。
「ここかな」
ぐちゅぐちゅと音を立ててGスポットに指が触れた瞬間、脳が痺れるような刺激を感じた。
身体が跳ね上がるような快感……
「ここ好き?」
「なっ、あっ♡……!!だめっ、なにこれっ……!?」
抵抗する度に指の動きは加速していく、何度絶頂したかも忘れてしまった。
「ここ気持ちいね、もっと欲しいね?」
声が枯れるほど喘いで指がナカから出されるとどこか物足りなさを感じた。
「いれるね」
「え」
彼の性器が濡れたナカに入っていく。
「優しくしてあげるから力抜いて、リラックスして」
彼の腰がゆっくりと動く。
「あっ…んっ」
さっきまで彼を恐れていたはずなのに、身体は彼を求めていた。
「もっとほしい?」
だから彼にそう問われた時に頷いてしまった。
「ふふ、変態だね、Azure」
彼は嬉しそうに微笑んだ後、激しく腰を振りだした。
「あっあっあっ、!!」
ぱんぱんっと肌が当たる音が響いてそれがまた欲を刺激する。
「Azure好きだよ、僕を見て」
「んっんっっ…あっあっ、♡いくっ……!!!」
彼に抱きついて絶頂すると、体液がお互いの服を汚していた。
「Azure、大好き」
「僕もすき……だいすき……ん」
また舌を絡めてお互いを求め合う。
「Azure、愛してる」
「僕も……あっぅ、あいしてるっ…んっ……」
彼に跨り上下に揺れる身体。
僕たちはその後もずっと行為を重ねた。
「Azure?」
次の日の朝。彼の声で目を覚ました。
「TwoTime…?本物……?!」
「本物だよ!どうしたの?」
彼はいつも通りの様子で、昨日の面影もなかった。
「良かった……実はね」
僕は昨日の出来事を説明した。
「なるほど……それは怖いね」
「本物でよかった……TwoTime、大好き……君が1番だいすき……」
「僕も!Azureが1番だよ」
(昨日の彼も良かったけど)
いつもと違う僕に動揺するAzure、すごい可愛かった。
あんな顔してあんな声出すんだ。えっちですごい興奮した。
(またしたいな……)
去る彼の後ろ姿を眺めながら、僕はそう思った。
僕のクローゼットには、まだあのスーツが残っている。早めに隠してバレないようにしないと。
「Azureのあんな顔、僕以外に見せないで欲しいな」
最初から最後まで、彼の全てを全部僕のものにしたい。僕で上書きしたい。
彼には僕しかいらないから、絶対に、絶対に……。
コメント
2件
最高ですなあーぐへへ
ときめきました。