私のおじいちゃんのお話です
私のおじいちゃんは私が生まれた時に目が悪くなりました。
おじいちゃんには顔に特徴的なホクロがありました。
私たちはよくこんな会話をしました
👨🏻🦳「ホクロあげる〜」
👧🏻「じゃあ返す〜!」
こんな会話は周りから見たらただのおかしい人です笑
でも、この会話が小さい頃の私にとってはとっても楽しかったんです
数年経つうちに、おじいちゃんに癌のステージ4が見つかりました
余命はあと5ヶ月。
母はそんな時でも笑顔で私たちを励ましてくれました。
おばあちゃんだって笑っていました
おじいちゃんにはヘルパーさんが着くようになりました。
目も悪く、体調も悪いおじいちゃんは寝たきりで足も浮腫んでいました。
私たちはおじいちゃんたちから離れ、別々の家で住むようになりました。
おじいちゃんが病院へ行きました。
車椅子で、病院を回りました。
その車椅子には、色々なものがぶら下がっていて、小さい私にはあまりにも重すぎました。笑
また家に戻って、おじいちゃんはヘルパーさんたちに沢山助けられました。
おじいちゃんはそのおかげで、1ヶ月寿命を伸ばしました。
でも、お別れの日はいつか来ます
数日後、お母さんから「おじいちゃんが亡くなった」と告げられました
あんなに笑顔だったお母さんは私たちの前で沢山涙を流しました。
おばあちゃんは病院へ向かう際、とても泣いたそうです。
でもおじいちゃんは、そんなおばあちゃんをずっと待っていたのです。
自分がいつ死ぬか分からない状況で、意識が朦朧としている状況で、おばあちゃんをずっと待っていたのです。
おじいちゃんは亡くなった数日後、火葬され、この世を去りました。
火葬する人達からは「喉仏が綺麗な方ですね」と、言われたそうです。
私はお葬式には行けなかったのですが、母に今でも連れていけばよかったねと言われます。
ヘルパーさんから後々聞いた話ですが、おじいちゃんは亡くなる前に、
「手を握ってくれないか」
と言ったそうです。
最後までおじいちゃんは私のヒーローでした。
あの会話ができないのは寂しいけど、ずっとおじいちゃんは私の中で生き続けます。