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※盛大に#真相をお話しますのネタバレがあります。
ご覧になられていない方は引き返してください。
「ぁ゛うッ…♡んぁッ!?…やぇ、゛♡♡」
ぱちゅ…とちゅ…♡
警備室に鳴り響く卑猥な水音と彼の掠れた声に、俺は高揚感を隠しきれぬまま、彼に腰を振ることを止められなかった。
いけないことだとは、分かっている。
それでも、いけないことをして俺の人生が崩れるほど、俺の人生は綺麗ではなくなってしまっていた。
もう、後戻りも何もできないのであれば、せめて。
「ねぇ、鈴木ちゃん…?♡」こりゅッ♡
「ッん、ぁあ゛…♡♡にゃ、にぃ゛っ?♡」
「俺の存在を、最期まで体に刻みなね…?」
「……俺をこんなふうにしたんだから、責任取ってよ、チョモちゃん」
「ッ~~~その、名前で、呼ぶなぁ゛ッッ!!♡」
いっそ殺してくれと言わんばかりの彼の射殺すような瞳は、それでもハートを帯びていて。
睨みつけられて興奮するなんて、本当に実感することが来るのだなぁ、なんて呑気に考えながらも、
ふやけて柔らかくなった彼のナカが、自分のモノをしっかり確かめるように形を覚える様子に頬を緩めた。
お互い、状況は死んでいる。
全ての個人情報が開示させられた俺と、
もうじき警察に捕まるか、命を落とす彼。
また俺は、独りとなる。
一度は恐怖症となったそれは、
この二度目で、過度な依存症へと変わり果てた。
鈴木ちゃんが、せめて死ぬ間際で俺を思い出しますように。
最期まで掴めぬことがないように。
どれだけ卑猥だと、残虐だと言われても、
俺等は似た者同士の、周りから理解できない何かで心が廃れて、粉々になっていて。
最後、彼のナカに白濁液を勢いよく出せば、
彼の、見かけによらず可愛らしい唇に、ふに、と柔らかく口付けた。
もう、これも、味わえない。
「……愛してるよ、鈴木ちゃん」
「……は、ぁ…、……クズめ」
クズで良い。
クズじゃなければ、俺は彼に出会えなかったんだから。
「…一生忘れないでよね」
「僕に、何も求めないでよ」
彼は澄ました顔でそう言い、黙って俺の額に口付けた。
「クズ、ど屑……、僕がアンタだけは、助けようとしたのに」
「俺は鈴木ちゃんに、助けられた覚えはないなぁ」
これは、僕らの警備室一室の話であり、他の人には届くはずもないやるせなさばかり覚える、
阿呆みたいな密室。
だから、俺らは。
落ちぶれた人間として、2人で、慰め合うことしかできなかった。