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翌朝、青は桃の布団の中で目を覚ました。
「……んん……」
体を伸ばそうとした瞬間、腰にズキッと痛みが走る。
「い、いた…”…っ!?」
青は慌てて起き上がるが、やっぱり腰が重い。
昨夜、桃といっぱいぎゅーして、たくさんちゅーしたのを思い出す。
(も、もしかして……そのせい……!?)
青の顔が一気に真っ赤になった。
その時、キッチンから桃の声がした。
「青、起きた? 朝ごはんできてるよ」
「も、ももくんっ!」
青は慌ててリビングに出て行き、涙目で訴える。
「たすけてぇ~……腰が……いたいのっ……!」
桃は驚いて振り返った。
「えっ!? 腰!? ちょっと待って大丈夫!?」
すぐに青のもとに駆け寄り、肩を支える。
「どこ? どんなふうに痛いの?」
桃は本気で心配して、青をソファに座らせる。
青は顔を真っ赤にしながら、両手で腰をさすった。
「えっと……なんかね、ここがズーンって……昨日、いっぱいぎゅ~したからかなぁ……?」
桃は一瞬固まり、耳まで真っ赤にする。
(ぎゅーで腰痛って……青、可愛すぎだろ……!)
でも必死に笑いをこらえて、真剣な顔を作る。
「そ、そっか……じゃあ今日はゆっくりした方がいいな。ほら、横になって」
「うん……ありがと、ももくん……」
青は素直にソファに横たわり、桃の手に甘えるように指を絡める。
「……ねぇ桃くん。腰痛いけど……でも昨日のこと思い出すと、すごく幸せな気持ちになるんだぁ……♡」
桃は顔を覆って小さく笑った。
「……ほんと、お前って……なんでそんなに可愛いんだよ」
青は「えへへ……♡」と笑いながら、安心して桃の胸に頭を預けた。
教室。
いつも元気いっぱいの青が、今日は机にぐったり突っ伏していた。
「……あ、青ちゃん? なんか元気ない?」
赤が心配そうに覗き込む。
「うぅ……、腰が痛いの……」
青は小さな声で答え、両手で腰をさすっている。
赤は一瞬ぎくりとしたが、すぐに笑いをこらえて首を傾げた。
「腰? なんでまた……?」
青は頬を赤く染めながら、机に顔を埋める。
「わかんない……昨日、桃くんとぎゅ~したり、ちゅ~したり……いっぱいしたからだと思うけど……」
「……」
赤は固まり、顔を真っ赤にして吹き出しそうになる。
「ちょ、ちょっと待って……ぎゅーとちゅーで腰!? どんな力でやってんの桃先輩!」
青は純粋に首を傾げる。
「だって、桃くん……ぎゅ~、すごく強かったし……抱きしめられたとき、なんか腰がずーんってなって……」
「そ、それで筋肉痛かぁ……」
赤はお腹を押さえて笑いを堪える。
その時、教室の後ろの扉から黄がやってきた。
「おーい、何の話ですか?」
「いやぁ……青ちゃんがさ、桃先輩とイチャイチャしすぎて腰痛いって」
赤が説明すると、黄は盛大にため息をついた。
「……はぁ。惚気もここまで来ると病気だな」
「ち、違うもん! 本当に痛いんだもん!」
青はぷくっと頬を膨らませる。
黄は肩をすくめ、赤は笑いをこらえきれず机を叩いた。
「もぉ~……ほんっと青ちゃんって、どこまでも純粋だなぁ」
「ね……可愛いから許しますけど」
青は腰をさすりながら、でもどこか幸せそうに微笑んだ。
「……でもね、痛いのに……思い出すと、やっぱり嬉しくなっちゃうんだ♡」
赤と黄はそろって頭を抱える。
「……はいはい、もう十分です。惚気は腹いっぱいです」
「お大事にね、青ちゃん」
数日後。
ある日の放課後のカフェ。
桃は窓の外の風景を眺めながら、少し悩ましげにため息をついた。
「……はぁ……」
赤が隣でホットココアをすする。
「また溜息ですか、桃くん」
黄は肩をすくめて笑う。
「いや、ちょっと相談があってさ……」
桃は真剣な顔で二人に向き直る。
「青のことで悩んでるんだ……」
赤と黄は興味津々。
「へえ、青ちゃんか……?」
「そう。あいつさ、まだえっちに慣れてなくて、キスだけでも嬉しそうにしてるんだよ」
桃は苦い笑みを浮かべる。
「でも……俺はもっと、甘えさせたい、触れたい……でも無理させたくない……」
黄は手を組んで呆れ顔。
「……はぁ? 結局、惚気ですか! それ悩みって言うの?」
赤も笑いながら、ココアを吹きそうになった。
「青ちゃんが かわいいってだけで悩むとか……桃先輩も大変だなぁ」
桃は少し困惑。
「いや、これは真剣な悩みなんだよ! どうしたら……」
「僕の答えは簡単ですよ」
黄は軽く肩を叩く。
「もうさっさと甘やかせばいいんんです」
赤もクスクス笑う。
「でも青ちゃんは純粋だからなぁ……無理に迫ったら嫌われるよ」
「そ、そうだよな……」
桃は小さく頷き、溜息をつく。
黄は桃をからかうように言った。
「結局、毎日青ちゃんのこと考えてニヤニヤしてるんでしょ?」
「う゛……ッ」
桃は少し顔を赤くして俯く。
赤は茶化しながら、ココアのカップをトントン叩く。
「まったく、惚気にしか聞こえないよ……。先輩の悩み、ただの愛情表現じゃん」
「うんうん。まったく、困った人ですね……」
桃は苦笑いしながら、2人に深く頷いた。
「……やっぱ、俺が頑張るしかないんだな」
黄と赤は再び呆れ笑いを浮かべる。
「そうですよ。楽しそうで何よりです」
「うん、まぁ、幸せならそれでいいんじゃない?」
桃は心の中で、青への愛情を再確認する。
――甘やかしたい、でも無理はさせたくない。
これからも、青の笑顔を守るために、俺は全力を尽くす。
昼休み。
屋上の隅っこ、青は顔に両手を置いてもじもじしていた。
向かいには赤と黄。ふたりはお弁当を食べながら、青の顔を覗き込んでいる。
「で、ど~したの? 青ちゃん」
赤がコロッケをつつきながら尋ねる。
「えっと……その……そ、相談が……」
青は頬をほんのり染めて、手の指をもじもじ絡ませる。
「桃くんと、付き合えて……毎日すっごく幸せで……っ、///」
「ほ、ほう…」
黄は無表情を装いながらも、赤と目を合わせる。
「でも……その、幸せすぎて、これでいいのかなって……」
「はぁ~……」
赤は思わずコロッケを落としそうになる。
「だってねっ、桃くん、ちょっと笑ってくれるだけでドキドキするし……肩に触れられたら、胸がぎゅ~ってなって……夜も眠れないくらいで……♡」
青は両頬を押さえ、幸せそうに身をよじる。
黄は大きなため息をついた。
「……青ちゃん、それ悩みじゃなくて惚気ですよ」
赤も吹き出す。
「うん、惚気だね。完全に」
「えっ!? の、惚気なのかな……?」
「そうだよ、青ちゃん……悩んでるっていうより、ただ幸せって言いたいだけでしょ」
「う゛……た、たしかに……♡」
青は真っ赤になって、でもにこにこ笑った。
「でも、ほんとにどうしよう……幸せすぎて、これ以上あるのかな……って……」
赤は呆れ顔。
「いやもうそれで充分だよ! なに欲張ってんの!」
黄も苦笑しながら水を飲む。
「桃くんも桃くんで、幸せすぎて僕たちに惚気てましたし。……お似合いですよ?」
青は目をぱちぱちさせて、ぽろっと笑顔をこぼす。
「……そっかぁ//、桃くんも、幸せなんだ……♡」
「そうそう。だから安心していいの」
赤はにやっと笑い、肩をすくめる。
「な~んだ。青ちゃん、ただの幸せ報告会だったわけね」
黄も口元を緩める。
「ほんと、2人を見てるとこっちが恥ずかしくなりますよ」
青は耳まで真っ赤にしながら、でも満面の笑みでうなずいた。
「えへへ……やっぱり、桃くんと一緒って……しあわせだなぁ♡」
𝒇𝒊𝒏