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ある日の土曜。
すちの広いリビングには、いつものメンバーが勢揃いしていた。
「……なぁ、俺の家、たまり場になってない?」
ソファに深く腰かけたすちが、苦笑まじりにぽつりと漏らす。
「だってここが一番居心地いいんだもん!」とこさめがにっこり笑うと、
らんが「それに、みことと同棲始めたんだろ?そりゃ集まりやすいって」とすぐにフォローを入れる。
みことはちょこんとすちの隣に座り、みんなのやりとりを見ながら微笑んだ。
「俺はね、みんなとこうして会える機会が増えて嬉しいよ」と、少し照れた様子でつぶやく。
その一言に、すちはふっと目を細め、みことの頭を撫でながら「……絆されるなぁ」と呟いた。
和やかな空気が流れるなか、こさめが手を挙げて元気に提案する。
「ねえねえ!せっかくだから、みんなでどっか旅行しない?グランピングとかどう!?冬の!」
突然のアイデアに一同は目を丸くしたが、すぐに賑やかに話が弾み始める。
「雪景色のなかで焚き火とか、よくない?」
「露天風呂付きのとこなら、なおさら良いな」
「バーベキューとかできるとこがいいなー!」
すちの家が笑い声に包まれながら、冬のグランピング旅行の計画が着々と立てられていくのだった。
___
🏕旅行前日:それぞれの準備
◆すち&みこと
「えーっと、手袋、カイロ、あと下着は何枚持っていこう……」
リビングに旅行用バッグを広げながら、真剣な顔で準備を進めるみこと。
その様子を、すちはソファに寝転びながらにやにやと眺めていた。
「そんなに持ってってどうすんの。3泊だし、夏じゃないんだから」
「でも寒いし、着替えは多い方が安心だし……」
「…じゃあ俺の分も服は多めにしようかな。みことが借りてくるかもだし」
「……え?」
「なんでもない♡」
___
◆らん&こさめ
「こさめ、それ、リュックに入らんだろ。でかすぎ」
「え〜でも、スノボ持っていきたいじゃん!絶対楽しいよ!?雪山あるし!」
「今回はグランピング、ちゃんと泊まる施設だし、軽装でいいって言ってただろ」
「えー。らんくんが俺を担いで連れてってくれるなら、身軽でいられるけど?」
「……それはアリかもしんない」
「え!? 乗っていいの!? マジで!?」
___
◆いるま&ひまなつ
「ねぇ、いるま。手袋どこ行ったか知らない?」
「え、知らねぇ。てか、お前こないだ俺に貸してたじゃん。俺の部屋置いてたぞ」
「そっか…あとで取りに行くね」
「ってか、お前さ」
「ん?」
「防寒着買いすぎだろ。どんだけ着込むつもりだよ、ミシュランマンかよ」
「だって寒いの無理だもん…あと、いるまの借りよーと思ってた♡」
「……俺、風邪ひいたらお前のせいな」
グループチャット:前夜
らん:
「車どうするんだっけ」
すち:
「6人用の借りたから大丈夫。必要な物は行く途中で買って、道の駅で休みながら行こう」
ひまなつ:
「みんな朝寝坊すんなよな…」
こさめ:
「ねぇねぇ!出発の朝、集合写真撮ろ〜!」
みこと:
「早起きがんばる…( 。•̀_•́。)」
いるま:
「どうせまたギリギリで走り出すの、お前だろ、ひまなつ」
ひまなつ:
「いるまだって遅刻するじゃん」
朝8時。
荷物を詰め込み、無事にレンタカーへ乗り込んだ6人。
車内はすぐに賑やかな空気に包まれた。
座席配置:
・運転席:すち
・助手席:みこと
・2列目:らん&こさめ
・3列目:いるま&ひまなつ
🍵&👑
「雪積もってるかなぁ〜、雪だるま作りたい」
「作る? いいね、雪うさぎもやろっか。…ってか、あったかくしてよ?冷えるとすぐ風邪ひくから」
「うん、すちの手袋借りてるから平気…えへへ」
「かわいすぎる」
🌸&🦈
「ねぇねぇ、BGMリクエストしていい〜?テンション上がるやつ!」
「お前、前の日にほぼ寝てないんだからちょっと静かにしろ」
「テンションが睡眠に勝ったの!でも寝ない!このまま旅を味わうの!」
📢&🍍
「…ねぇ、さっきからこの車の暖房強すぎじゃない?」
「お前が“寒い寒い”ってうるせーからMAXにしてやったんだろ」
「ぬくいのは良いけどさ〜…なんか、眠くなってきた……」
「寝ても良いけど涎垂らすなよ」
___
「なんかこの空気……修学旅行のバス思い出すね、すち」
「でも今回は恋人同士ばっかでしょ?修学旅行より……大人だね♡」
「……っ、な、なにその言い方……!」
「うわぁ〜今の聞いた!?すちくん、彼氏レベル高すぎ!」
「こさめは黙ってな」
「つか、これ運転すちで正解だったな。俺がやってたら途中で競争とか始めて事故ってた」
「それ笑えないから。いるまちゃんならやりかねない」
「すちの運転、安心するよ。……なんか、好き」
「……俺も、みことのそういうとこ、好き」
その後も、
・こさめの「目的地で罰ゲーム付き雪合戦しようよ!」発言で揉めたり
・いるまがコンビニ休憩で肉まん10個買って怒られたり
・道の駅でひまなつがみことの肩に頭を乗せて寝ようとして、すちに睨まれたり
……と、道中も終始賑やかだった。
目的地まで、あと少し。
グランピングという非日常が、もうすぐ始まろうとしていた。