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片思いとか両片思いとかだいすき。
なんか実らない恋も見てて辛いけど
なんか好きなんですよね。
📢🍍で描いたつもりです。
📢🌸要素少し入ります。
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「見てみてなっちゃん!指輪買ったんだ〜!安物だけど宝物!」昼休みの教室、机に両手を置いてキラキラと見せびらかすらんを、なつはぼんやりと
眺めていた。
恋人なんてできたんだと驚いたが、
深くは探らない。
らんには正直そこまで興味がない。
それより、最近やたらといるまに距離が
近いほうが気になって仕方ない。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
帰り道はほとんど毎日、いるまと2人きり。
時々、らんやみこと、すち、こさめが
混ざるが、なつにとってはみんな
「大事な友達」だった。
……少なくとも表向きは。
本当は、いるまだけが特別だ。
方向は逆なのに、いつも送ってくれる。
本当は優しい性格持ち。
送ってくれるのはいいものの、なつは一度もいるまの家に招かれたことはない。
だから――調べた。
放課後、何度も尾行して、家を特定した。
玄関のドア色、郵便受けの傷、
二階のカーテンの柄まで覚えている。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
なつは昔から、好きな人ができると
精神が乱れる。
夜は薬を飲まないと眠れないそんな私生活になっていた。
今日もODして眠る毎日。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
――翌朝
めずらしく早起きして学校に行くと、
運命のように、いるまも早く来ていた。
教室には二人きり。
「!いるま、おはよ」
「……おはよ」
他愛もない会話。それだけで、
胸が熱くなる。
そろそろ告白してもいいだろう。
こんなに相性の合う人なんて、
いるま以外もういない。
それに……両片思いだという自信があった。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
放課後、体育館裏に呼び出す。
一番かわいい格好――
自分ではそう信じている服装。
リストカットの跡はシールで隠し、
「これで、いるまが可愛いって言ってる」
(前にもそれいいなって言われたし)
と思い込んでいた。
※実際には一度も言われていない。
ОDの影響で自分に都合のいいように記憶が
少し改善されている。
いるまは先に来ていた。
心臓が痛い。
「いるま……実は、伝えたいことがあって」
声が震える。
(ここで相手が「ちょっと待って、俺から
言わせてくれ」って言う展開だろ?漫画みたいに――まぁ俺から告ってやってもいいけど)
頭の中で、都合のいい台本をなぞる。
「ずっと……出会ったころから好きでした!
付き合ってください!」
一気に言葉を吐き出した。
「いるまからオソロでもらった指輪とか、
本当に嬉しかったんだよ……返事は別に
“分かってるから“」
一瞬の沈黙。
「なつ」
「……ん?」
「ごめんなさい。お前とは付き合えない」
心臓の音が、耳の奥で爆発した。
「え……いるまは俺のこと、
好きじゃないの?」
「友達としては好きだけど、俺、
他に好きな人いるんだ」
なつの世界が音を立てて崩れていく。
「だからごめんな。
そろそろ部活行かないと」
去り際に笑って言う。
「あ、お前と友達やめる気はねーから。
安心しろ。告白ありがとな。お前には俺よりもっといい人いるから」
そのまま、背を向けて去っていく。
足が動かない。
視界がぼやけていく。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
――帰宅。
部屋に入ると、真っ先に薬を飲む。
ベッドに倒れ込み、涙を流しながら
意識が沈んでいく。
目が覚めると、部屋は荒れていた。
壁に貼っていたいるまの盗撮写真は、
ほとんど破れて床に散らばっている。
「……なんだ、現実か…ッ…」
震える声で呟く。
涙がまたこぼれた。
そしてふと、放課後の光景が頭をよぎる。
いるまの左手――
「あいつ……指輪、二個つけてたな」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
スクロールお疲れ様です。
なっちゃんは依存に近い感じの恋するかなって思って速攻で描きました。
そういえば3周年おめてどうございます。
リクエストは今順調に進んでいます。
まだ全然受け付けてますんで気軽に
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