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夕暮れの道。
買い物袋を提げた三人の影が長く伸びていた。
「晩ごはん、今日はカレーかな」
亮が袋を揺らしながら呟くと、咲は思わず笑った。
「やっぱり分かっちゃうんだ」
「だって俺の好物だしな」
亮が楽しそうに話す横で、悠真がふと咲に視線を向けた。
「カレー作るの、妹ちゃんが担当か?」
「えっ……まぁ、はい」
不意に声をかけられて、胸が熱くなる。
――その声音はごく自然。
けれど、なぜだか“特別”に響いてしまい、咲の心臓はまた小さく震えていた。