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#青春ラブコメ
ラスターダノン
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おねぎ
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「さあ、良いお返事をお聞かせくださいまし?」美咲の笑みが、僕には「地獄への招待状」にしか見えなかった。
断れば、放課後の校舎裏で消される。
受け入れれば、彼女の自室(あるいは謎の密室)に連れ込まれ、101人目の被害者として身も心もしゃぶり尽くされる。
八方塞がりだ。
冷や汗が顎を伝い、床にポタリと落ちる。
(くそっ……! 逃げられないなら、せめて自分の領域(フィールド)に引きずり込むしかない……!)
僕は乾いたツバをゴクリと飲み込み、震える声を振り絞った。
「わ、分かった……! 放課後、お供するよ!」
「まあ……! お引き受けくださるのですのね!」
美咲の瞳がパッと輝く。その純粋な喜びの表情すら、僕には「新しい獲物を前にした捕食者の顔」に見えて生きた心地がしない。
「ただし! 条件がある!」
「条件、ですの?」
「場所は……そう、この教室だ! 放課後、誰もいなくなったこの教室で『勝負』させてくれ!」
僕の精一杯の抵抗だった。
彼女のホームグラウンド(大邸宅や怪しい個室)に連れ込まれたら最後、何が起こるか分からない。だが、慣れ親しんだこの教室なら、万が一の時に窓から飛び降りて逃げる(2階だけど)ことだってできるかもしれない。
それに——胸ポケットのデッキケースを握りしめる。
(もし……もし彼女の言っている『夜の嗜み』が、僕の想像を超えるような異常なプレイだったとしても……僕にはこの『オブリビオン・ディザスター』がある!)
男としての最後のプライドだ。
どんな怪しい誘惑を受けようとも、僕はカードゲーマーとしての魂だけは売らない。彼女がどんな『お道具』を取り出そうとも、僕はカードを盾にして正気を保ってみせる……!
「……ふふ、教室で、ですのね」
美咲は少し意外そうに目を丸くしたあと、どこか挑発的な笑みを浮かべた。
「ええ、よろしくてよ。人目のない放課後の教室……少しスリルがあって、悪くありませんわ」
(スリルとか言わないで怖すぎるだろ!!!)
「では、放課後……楽しみにしておりますわね、天野さま」
キーンコーンカーンコーン——。
昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴り響く。
美咲は優雅に一礼すると、何事もなかったかのように自分の席へと戻り、再びしとやかに文庫本を開いた。
残された僕は、ガクガクと震える膝を押さえながら、自分の席に崩れ落ちた。
(やってしまった……。放課後、僕は『100人斬りの魔女』と二人きりになる……!)
午後の授業の内容なんて、一切頭に入ってこなかった。
黒板の文字がすべて「101」という数字に見えてくる。
そして無情にも時は流れ、放課後を告げる最終チャイムが、僕の処刑台への合図のように鳴り響いたのだった。
コメント
1件
読了!この教室を勝負の場に指定する主人公の機転、好きだなあ。自分の領域に引きずり込もうとする抵抗が、デッキケースを握るシーンと重なって、カードへの執着=男の意地みたいになってるのがいい。美咲の「スリルがあって悪くありませんわ」の含みも不気味で、放課後がどう転ぶのか楽しみ。細かいけど「101」の文字の見え方の表現、地味に戦慄した。