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瀬名 紫陽花
3,311
ある日の夜近所のコンビニに寄った。
買ったのはアイスと明日の朝ごはん用のパン。
帰る最中何となく公園に寄り道した。
そしたら君がいたんだ。
あれはたしか夏休が始まる2週間前。
ブランコを漕いでた。
長い髪をなびかせながら。
月の光に照らされて。
暗くて顔がよく見えない。
僕はブランコに近づいて「あまの?」
声をかけた。
君は泣いてた。
「あまのどうしたの?」
君は答えた。
「パパに殴られた。何度も何度も。」
「パパはいつも私の体をさわる。気持ち悪い手つきで。いつものこと。でも今日はちがかった。むりやり犯された。きたない。痛い。きもちわるい。」
「それでやめてって言ったらパパに突き飛ばされた。殴られた。」
君は泣きながらちょっと笑って、
「きもちわるい。家に帰りたくないなぁ。死にたい。」って言った。
「あまの。ぼくと逃げる?」
「うん。」
二言で僕らの逃避行ははじまった。
僕の家はお母さんしかいない。
お母さんはほぼ家に帰ってこない。
だから、だから
君と逃げても 大丈夫。
もし仮に戻れなくても、死んだとしても 大丈夫。
今思えばばかなことを言ったなと思う。
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