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初ノベル…!!✨️
この作品は桃太郎をもとに
進めていきます…!
再投稿前は色付き♡で
誰のセリフかわかりやすく
していたんですけど、
いや、これ邪魔だな……と思ったので
つけるのやめます…!
セリフをそれっぽくは
できていると思います…🙌
それでは!どうぞ!
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昔々あるところに、”俺”がいた。
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ニュースキャスターの声が頭の中に響く。
それと同時に桃の花の匂いが頭の中に咲く。
「ご覧ください!桃太郎です!!」
「今、桃太郎が鬼を討伐しました…!!!」
液晶の中の女性は、鈴のように甲高い声で自分事のように桃太郎の活躍を語る。
俺はその姿を、自分の姿と重ねる。
ーーただ、現実とはそう甘くは無い。
目を開けた俺は、目の前に広がる光景に
息がつまりかける。
血に染まった灰色の床。
助けを求める掠れた声の男。
右手にはーー赤黒色に染まった刀。
目の前にまた目をやる。
「お…、お前は…ッまだ!まだ…間に合う!」
その目は救いを探すように泳いでいた。
俺はそれをただ、見ていた。
まだ…間に合う?
そんな言葉に何度騙されたことか。
お前には一生わからないまま死ぬんだ。
「残念だけど…」
一瞬、男の顔が歪む。
「お前が言ってる”優しさ”なんて項目は、
俺の辞典には存在してないんだよ」
男が何かを言いかけたところで
俺は引き金を引く。
頬に、返り血がつく。
何分経っただろうか。
自分が殺めた桃太郎たちをじっと見つめる。
誰も何も言わない。白目を向いたまま。
ただ、沈黙だけが俺を喰う。
俺は…最低だ、ッ
そう言葉を放つと、後ろから聞き慣れた声がした。
「お前はいつまで経っても主人公のままでいようとするな?世一」
カイザー___俺の所属してるグループのボスだ。
「主人公…?笑…人をこんなに殺してるんだぞ?」
「悪に染まろうとしない、ありきたりの主人公だ」
俺の言葉に被せるように声を出した。
冷たい青色に染まった色でこちらを見つめる。
その目に、俺は引きずり込まれる。
「諦められない中途半端野郎がか?」
俺は鼻で笑ってみせる。
見られていたくなくて、目を背ける。
そうするとカイザーは、俺の心情を受け取ったのか、それか呆れたのか。
一つ、静かにため息をついた。
そして、ゆっくりと近づいて顔を近づける。
「だからだ。」
「抗うな、世一。お前の心が選んだんだ。」
第1話 桃から生まれなかった男