ノベル大変や…🙄
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この世界には、3つ世界がある。
平和を求めるノーマル。
正義のために戦う能力を授けられた桃太郎。
そしてーーーーーー
正義を否定するために戦う能力を授けられた鬼。
世界は、鬼を「いらない存在」
だと決めつけている。
だが、本当に鬼は消えるべきなのか。
これは、1人の青年が
世界を変える話である。
ボスに頼まれた書類の整理をしていると
部屋のドアからノックの音がした。
「どうかしたか?」
誰かわからないが、返事をする。
ギギッ…と重たい音を立てて、
鉄製のドアがわずかに開く。
隙間から覗いたのは、眉間に皺を寄せた
カイザーだった。
「下っ端どもがまだ帰ってきてねぇ」
「様子見に行くぞ」
ノックをしたのはカイザーだった。
1時間ほど前に部下たちが
見回りをしにアジトを出たきり、
戻ってこないらしい。
その瞬間、背筋がひんやり冷えた。
「黒名が向かったんだろ?」
黒名とは、俺と同じ鬼組織の幹部の1人だ。
黒名が負けるなんて、考えたくもない。
頭ではそうわかっていても、
どうしても嫌な予感がつきまとう。
「行ってから1時間経ってる」
「異常がないなんてことはない」
空中を睨みながら、拳を軽く壁に当てる。
焦りというより、苛立ちという言葉が
今のカイザーにぴったりだ。
「ったく、面倒ごとが好きな奴らだ…」
ボソリと愚痴を吐き捨てると、
今度は鋭い視線をこちらに向けた。
「お前も来い。置いていってやるほど暇じゃねぇ」
カイザーの上から目線が無性に
腹立たしかった。
「1人じゃなんにもできねぇくせに
上から目線か?笑」
カイザーは、眉間にしわを寄せ、目を細めた。
その顔には、怒りでも嘲りでもない、
曖昧な色が浮かんでいた。
「お前も面倒事が好きだなぁ?世一ィ」
数秒間の沈黙ができた。
先に口を開いたのは世一____つまり俺だった。
「わかった。今すぐ行こう」
「最初からそうしてくれよ?世一クン?」
「あーはいはい」
そうして俺らは、鬼と桃太郎の衝突が
起きたという場所へ向かった。
静かな夜に、不穏な気配が
じわじわと近づいてくる――
2話目 夜に呼ばれた声
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