“誕生日、おめでとう”

らん『…ありがと』

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誕生日、おめでとう

俺はその言葉が嫌いだった

言われる度に 竜胆と離れてしまう時間が迫っているような

…、そんな感じ…。

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母『蘭ちゃん、13歳の誕生日、おめでとう。』

らん『……』

母『…これからは…きちんとした人生を歩めるようにしてね…』

“きちんとした人生”

そんな事、言われなくともやってるっつ~話

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りん『ぁ…にいちゃん…』

らん『…ん？』

今目の前に居るのは

俺が愛してて大っっ好きな弟の竜胆

もうめちゃくちゃ可愛いんだぞ、マジで

りん『そ、の…え、っと…』

どうやら、俺の可愛い可愛い握り潰したいぐらい愛してる竜胆は、何か言いたい事があるらしい。

らん『ん？どした？』

きっと

“誕生日おめでとう”  と言いたいのだろう

…まぁ、ブスなクソ母に言われたり…ブスグソな奴等に言われるよりいいか…。

そんな事を心の中で言っていると

竜胆が大きく息を吸った

りん『これ…からも、よろ…しくね…。』

らん『……お…、おう…？』

“これからもよろしくね”

そう言われ、俺は戸惑う

だって普通、”誕生日おめでとう” とかだろ…？

…変なの

ﾊﾞﾝｯﾊﾞﾝｯ!!!!

蘭『…ぁ”~…だり……』

竜『こっち終わった、 兄貴 そっちは？』

蘭『ん、後 此奴で終わり』

ﾊﾞﾝｯｯｯ!!!!

蘭『ふ”~……』

竜『お疲れ』

竜『…あ、…兄貴今日誕生日じゃね？』

蘭『…ん…？…あ、マジじゃん…w』

蘭『…そういや…』

蘭『竜胆、昔 ”これからもよろしくね” とか言ってきたけど…あれど~いう意味？』

竜『…え、普通に…これからもよろしくね…って…』

蘭『普通 “おめでとう” とかだろ』

竜『………』

竜『多分…兄貴の事気遣った…かも…?』

蘭『多分ってなんだよwウケるわ…w』

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蘭『…ん？気遣った？』

竜『…え、兄貴…”誕生日おめでとう” とか言われんの嫌いだったろ…？？』

蘭『いや…そうだけど…え、言った？』

竜『言われてねぇよ、俺の洞察力が良かっただけ』

蘭『…天才かよ…w』

蘭『……』

蘭『お前は…俺から離れんなよ』

竜『…何急に…w』

蘭『………』

蘭『…ごめん、なんもない…。』

竜『…………。』

竜『兄貴の事、1番分かってんのは俺だけだし、兄貴の我儘に付いて行けんのも俺だけ、兄貴の事  1番愛してんのは俺だけ。』

竜『そんな俺が兄貴から離れるわけね~だろ??』

蘭『……ははw』

蘭『やっぱお前最高だわw』

竜『…ふはっw』

竜『兄貴、これからもよろしくな。』

蘭『…おう』