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nk side
👑→ニキ
※attention
この作品は卒業メンバーの方も出てきます
また事故の設定や1部病気の話もででくるため苦手な方はお戻りください
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目の前のボビーは小さく寝息をたてている。
あと何回、これを何回見ればいいのかもう分からない。でもあと数回も見れば俺が先に壊れるのは何となく分かる。医者もそれを分かってくれているようでボビーが寝たらカウンセリングに来るように言われた。
食事をしていないせいで少し痩せこけているボビーの頬をそっと撫でる。
なんでボビーがこんな目に遭わないといけないのか。なんでボビーなのか。何度も考えて、泣いて。夢であることを願いつつ眠っても、起きたら目が腫れているから夢じゃなかったことを知って、また泣いて。誰でもいいからなんでもするからボビーをまちこりを助けて欲しい。
数週間前、家で編集をしているとまちこりが事故に合ったとボビーから連絡があった。急いで病院にかけつけてまちこりの病室前に来たら、怒号が聞こえた。後からその場にいたりぃちょに聞いた所ボビーが自分のせいでまちこりが事故に合ったとまちこりの両親に言って謝ったら、父親の方に怒鳴られて、殴られたらしい。確かにボビーがまちこりに会おうとしてこうなったけど、ボビーは悪くない。事故の理由もブレーキの故障で別に誰も悪くないんだ。
なのにボビーはこの事を気に病んで、食事を殆ど取らずにいつ目を覚ますかも分からないまちこりの傍にずっといた。そのせいでストレスと栄養失調になり倒れた。 しかも倒れた時ボビーは階段にいて運悪く強く頭を打ってしまい、まちこりが倒れる少し前からの記憶がないと聞かされた。
これだけでも気が気じゃなかったのにさらに追い打ちをかけるように、記憶が一日でリセットされること、ストレスのせいで耳が聞こえなくなってしまったこと、いつ治るか分からないことを聞かされた。
淡々とでも申し訳なさそうに医者から告げられ、りぃちょもキャメさんも18もみんな気が滅入ってしまって、声のトーンやテンションが低く元気がない。
当然の結果だけどこのままの状態でいる訳にはいかない。だから俺がしっかりしないと、皆を支えないといけない。俺まで落ち込んでたらみんなもたない。だからこんなんで泣いてちゃいけないのに。
👑「ボビー、戻って来いよ。じゃないと、俺がまちこりのこと貰っていくからな。」
ボビーに話しかけても聞こえないのに、何となくまちこりのことならボビーは起きていつも通りツッコミを入れてくれる気がして話しかける。勿論起きてはくれない。
頬を伝う涙を拭うわけでもなく、ただ肩を震わせて泣いていると、ガンッ、と大きな音をたてて扉が開いた。びっくりしたものの今顔を見られる訳にはいかないから振り向かないようにした。どうせキャメだと思うし。何も言わずに、でも泣いていたことがバレないようにこっそり涙を拭った。
👑「ボビーならついさっき寝たばっかだよ。今日も何も覚えて無さそうだったけど。あと耳が聞こえないのたぶん気づいてないから大丈夫。」
キャメが横に来たタイミングで状況を軽く話した。いつも通りキャメは何も喋らない。
👑「じゃあ俺医者んとこ行くから、キャメも今日は帰って寝ろ。ぶっ倒れるぞ。」
キャメに顔を見られないように、キャメがいる方とは逆向きに回って扉の方へ向かおうとした。けど、視界の端に写ったものを見て足が無意識に止まってしまった。だって俺の横にいるやつはどう見てもキャメじゃない。キャメより背が低くて、細くて、そして何より入院着を着ていた。
誰だ?こいつ。
頭から腰にかけて布を被っているため誰かよく分からない。予期せぬことが起こって固まっていると、勢いよくその人物がこちらを振り返ってきて、 その拍子に頭から布が外れた。
👑「…は?、まちこ…り?」
風に揺れる若葉のような髪。白く透き通った肌。俺を写す薄紫色の瞳。少し髪が伸びているもののここにいるはずのないまちこりだった。
まちこりが何故か今、目の前にいる。