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前置き
※言葉の使い方が間違っている箇所が多々あると思いますがこのお話を授業で書いた当時は中1だったので大目に見てください。
※このお話のエーミールは金髪翠眼です。
※原作の数年後のお話です。
※BL要素超薄いです…
本編
大人になった僕 の元に一通の便りが届いた。
友人のいつもの自慢話かと思い、差出人に目をやると、そこには知らない人物の名。
なにかおかしいと思いつつ、封を開ける。
そこには、にわかに信じ難いことが書かれていた。
「そんな馬鹿な…」
エーミールが────彼が死んだ。
死因は癌だった。
彼は無事学校を卒業した後、あちらでの生活を気に入り、そのまま現地の女性と結婚していたそうだ。
便りは彼の妻からのもののようだった。
彼があれからどうしていたかなんて知らなかった。
僕は今まで一度もエーミールと会うことも、文を送ることもしなかった。
なぜなら怖かったからだ。
あれから十数年経ったが、相変わらず僕は昔から何も変わっていない。
進めていないままだ。
今でも彼を思い出そうとすると、あの冷たい翠の瞳が浮かび上がってくる。
それでも、大人になると学生であった時よりも考えることが増え、気づくことも増える。
特にエーミールに関してはよく頭を悩ませた。
僕自身 は変われていないが、今の僕の彼への見方は変われている気がする。
僕は彼に会わなければいけない気がした。
伝えなければいけないことがある。
「待っててくれ。エーミール。」
僕は十数年ぶりに彼に会いに、彼の墓へ行くことを決めた。
数週間後、僕は彼の前にいた。
心臓が休む間もない程波打っている。
僕の目の前にあるのは、彼の瞳ではなく、ただの墓石だというのに。
声が出ない。
耳鳴りがする。
やはり帰ろうかと痛む頭で考えていたとき、何かが僕の視界を遮った。
蝶だった。
あの運命の日、彼と僕の関係を壊すきっかけにもなってしまった蝶だった。
あの日から僕にとっては苛立ちを与えるだけの存在だったが、このときは勇気をくれたような気がした。
僕は一度深呼吸をし、言った。
続く