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太宰が居そうな部屋を片っ端から開けた
太宰の執務室
情報保管庫
最後に首領室の扉を開けた
奥の方にある椅子に首領は腰掛けていた
森「おや、そんなに急いでどうしたのかね?」
涼しい顔をして平気で嘘を吐く
そんな首領が今は恐ろしくて堪らない
中也「太宰は何処ですか」
森「太宰君かい?」
森「先程話が終わって部屋を出て行ったよ」
森「太宰君に用事でもあるのかい?」
中也「未だ居ますよね」
中也「此の部屋に」
森「…何故そう思うのだい?」
中也「全て盗聴器で聴かせてもらいました」
中也「貴方が太宰に何をしたのか知っています」
森「…君も抜け目が無くなってきたね」
森「太宰君なら此の奥に居るよ」
そう言って指を指したのは壁だった
森「誰も知らない隠し部屋だ」
森「今開けるよ」
首領は腰を重そうに上げて立ち上がり
壁に向かって操作している
こんなところに部屋があるなんて知らなかった
太宰の声が廊下に響かなかったのも此の所為だろう
こんなに奥に部屋がある上に分厚い壁
太宰の声が外に聞こえるはずがない
暫くすると扉が現れる
森「さぁどうぞ」
あっさりしすぎていて怪しい
でもそんな事より太宰が心配でならなかった
俺は勢いよく扉を開けた
扉が開く音が部屋中に響く
扉を開けると真っ暗で電気が付いていなかった
其の部屋の奥に人影がある
俺は思わず走り出した
中也「太宰ッ」
呼びかけても返事は返ってこなかった
中也「太宰ッもう大丈夫だからなッ」
太宰の側に行き抱き締める
すると思いっ切り押し返された
中也「ッ太宰?」
太宰の手が震えていた
太宰「やめてッ怖いッ来ないでッ」
中也「俺だッ首領じゃねぇ」
太宰「触らないでッやめてッ」
呼吸が乱れて手が震えている
俺に恐怖を抱いている?
何故?
俺はどうすれば良いのかわからず
其の場で動きを止めた
森「太宰君」
首領が後ろから呼びかけると
太宰が敏感に反応した
太宰「森さ、」
森「こっちにおいで」
そう言うと太宰は四つん這いになりながら首領の元へ歩き始めた
太宰「森さんッ」
太宰「怖いッ怖いッ」
森「もう大丈夫だよ」
俺は理解が追いつかず
其の場で立ち尽くす事しか出来なかった
首領が不気味な笑顔を浮かべる
森「太宰君、彼が誰だか判るかい?」
太宰「…知らないッ判らないッ」
中也「太宰…?」
俺の事が判らない?
そんな筈はない
そんな事、あってはならない
森「聞いただろう、太宰君の言葉を」
森「もう諦めたらどうだい?」
中也「太宰に何をしたんです?」
森「ほんの少し調教をしただけさ笑」
俺は言葉を失った
森「もう部屋から出て行きなさい」
森「太宰君が怖がってる」
俺は無言で其の場を後にした
俺は一人で途方に暮れていた
《どうしよう》
其の言葉で頭がいっぱいだった
街中を歩いていると後ろから声を掛けられた
◯◯「あの、大丈夫ですか?」
振り向くと其処には探偵社が居た
敦「顔色が悪いですよ」
中也「…..」
敦「体調が悪いんですか?」
中也「…..」
敦「…一度探偵社に来ますか?」
頭が回っておらずなんと無くて返事を返す
中也「…あぁ」
敦「では着いて来て下さい」
中島敦は俺に笑い掛けた
数分歩くと探偵社が見えた
階段を上がり少し歩くと
探偵社と書かれた看板が目に入った
扉が開くと探偵社員たちが居た
国木田「随分遅かったな敦、」
眼鏡を付けた奴が俺を見て固まった
国木田「な、な、何故ポートマフィアが此処にッ」
敦「体調が悪そうだったので連れて来ちゃいました」
与謝野「確かに顔色が悪いねぇ」
国木田「敵組織の幹部なのだぞ!?」
敦「今にも倒れそうだったので…!」
中島敦には俺がそう見えていたらしい
与謝野「少しソファで休みな」
俺は女医にソファへ案内された
ソファに座るとある人物が俺の前に座る
乱歩「酷い顔だね」
中也「…..」
乱歩「…太宰はどうした」
中也「…名探偵」
勝手に口が動く
中也「依頼がしたい」
乱歩「…僕に依頼するなら高くつくからね!」
中也「幾らでも払う」
乱歩「其れで依頼は?」
中也「…太宰を助けてやってくれ」
俺がそう言うと部屋の気温が数度下がった様に空気を凍らせた
敦「太宰さんに何かあったんですか!?」
中也「…俺は彼奴を助けられなかった」
中也「助けを求めてくれたのに」
中也「俺は…」
乱歩「…予想は付いてたよ」
乱歩「詳しく聴かせて」
俺は一連の事柄を全て話した
敦「そんなッ…!」
国木田「彼奴が…」
与謝野「…..」
乱歩「なるほどねぇ」
中也「もうどうすれば良いのか判らねぇ、」
中也「お願いだ、彼奴を助けてやってくれ」
乱歩「国木田、社長を呼んで」
乱歩「緊急会議だ」
国木田「承知いたしました」
会議の席には名探偵、人虎、眼鏡、女医、探偵社の社長がいた
乱歩「他の奴は非番だから僕たちだけで会議だ」
福沢「緊急会議など珍しいな」
福沢「一体何があった」
乱歩「太宰が大変な事になってる」
社長「何だと」
乱歩「太宰が人殺しを恐れる様になり逃走を図ったが森鴎外により捕まり調教され今は記憶がなくなっているらしい」
中也「金なら幾らでも出す」
中也「お願いだ」
中也「太宰を助けてくれッ」
福沢「太宰は我々にとって大切な元社員だ」
福沢「見過ごすわけにはいかない」
福沢「只今より全ての仕事を凍結し太宰の救出に全力を注ぐ!」
社員「はい」
こんな温かい場所でお前は過ごしていたのか
ポートマフィアに連れ戻したりなんかしてごめんな
必ず助けてやるから
待っててくれ
森「調教は上手くいっている様だね」
森「落ち着いたかい?」
太宰「コクッ」
森「約束守れてて偉いね」
森「さて、早速だが任務だよ」
森「組織に貢献しておいで」
太宰「はい」
そう言って部屋から出て行った
森「楽しみだねぇ笑」
足腰が痛い
何でだろう
そう言えば先程まで何してたんだっけ
思い出せない
頭に霧が掛かったみたいだ
先程のオレンジ色の髪をしている人は
一体誰だったのだろうか
其れにあの顔…
悲しそうで苦しそうな顔
何であんな顔をしたのだろうか
判らない、判らないよ
只判るのは【僕】の名前は太宰治で
【僕】に命令する人は森さんで
【僕】は森さん以外と話してはいけなくて
【僕】は森さんの右腕だって事だけ
其れ以外は何も判らない
でも苦しくてつらくて逃げたいって
思った事がある気がする
そんな事いつ思ったんだっけ
只助けて欲しくてずっと其れだけを望んでいて、
…やっぱり判らないや
後で森さんに聞いてみよう
どうでしたか?
お久しぶりです!
3ヶ月ぶりくらいの投稿ですね!
新生活が始まってテストが2回あり
いろいろ忙しかった1学期でした…!
みなさんは新学期どうですか?
投稿頻度は低いですがこれからも頑張るので
見てくださると嬉しいです!
次回は❤️1000で投稿します!
ではまたね!