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注意
・史実的なのはあんまないよ
・東ドイツとドイツのお話です
・ギスギスしてる
・謎です
視点はドイツくんです
どーぞ
最近、なにもやる気がでない
真面目にしないとな、なんて思いながらも身体が重くて動かない
まるで、なにかに取り憑かれたみたいに…
「ははっ…」
どこぞで同僚と話してた話だ
夏でもないのに、仕事から逃げるためだけに会話した怪談的なあれ
別になんてこったない、どうでもいい、お話
もちろん、非科学的過ぎて、信じはしない
なんなら、今俺が取り憑かれてるのは仕事だ
全部全部仕事に振ったみたいに生きてる
ゲームのすてーたす?を振った、みたいな
職業スキルだけ異常に上げたみたいな、そんな感じのやつ
日本のマンガだったら、そういうのは救われるらしい
それこそ非科学的過ぎて面白みが出るかもしれないが、現実を覗いた瞬間ドン底ってものだ
だから、あまり好きでもない
そういうものだ、そういう人間だ、俺は
どうでもいい、どうしようもない、ただの国様の人間
歴史を見れば、敗戦記録がよく目立って、それを隠すみたいに努力して、仕事に酔って、人の言う事を聞かない
そういう人間だ、そういう人間性なんだ
…だのに、不思議だ
夢を見る
自分と同じような見た目をした誰かの夢
最初は鏡だと思って、無視して歩き出したはずなのに、その自分はついてかないで、止まってるんだ
座って、ぼんやりと自分を眺めてる
自分なのにだらしない、なんて思いだろうか
俺はその自分を見過ごせないで、結局下がって、手を差し伸べてみるんだ
今更思えば、鏡に見えるなんて、身だしなみをよく整える癖だろうか?
別にどうだっていいんだが…
…で、その自分は、俺の手を掴んでくれる
そこまでなら、いいんだがな
そのあと、そいつは俺の手を引っ張ってくるんだ
それにされるがままで俺はそいつと落ちる
「僕、■■■だよ!また■■ちゃったの?僕は■■っぽいなぁ…。大丈夫!ちゃんと、■■■させてあげるから!」
そんなことをそいつは言うんだ
ところどころ聞き取れない、でもはっきりとその声は聞こえるんだ
その声は、たしかに聞いたことあるはずだ
…なのに、誰か分からない
もうそろそろボケてきたのか、単に思い出したくないのか、もうよく分からない
ただ、夢なんて嫌いだ
仕事中の寝落ちが長くなる
…それに、あいつとは会いたくないんだ
…なぜか、どうしても
はい、次
今度は東ドイツくん視点
どーぞ
周りを見回せば、幸せの君が見えた
いいよね、ずるいよね
君はあの時代にいない
それでも、君が大事なんだ
僕の、うまく生き残った方だから、絶対に死なせるもんか
…そんな強がり、そんな独りよがり
誰から移ったかはもう思い出したくもないなぁ
愛想笑いの上手さも、丁寧な言葉遣いも、全部全部あいつに注ぐもので、すっごい嫌いだったのに、今のあの僕はずっとそれを使うんだ
あんなに、嫌いだったのにね
きっと忘れてるんだ、あの僕は
だから、一回夢に出てみた
僕は記憶の一部だ…たぶん、だけど
でも、僕はその記憶に魘されちゃうや
見渡す限りの赤赤赤赤…赤面多々もはなただしいくらいで、消えやしない色
あの時の僕は空っぽ過ぎて、それしか見えなかったんだ
…戦争に負けちゃったからね
ほんと、僕の父さんも真っ赤だったから、赤が嫌いになっちゃった
あの僕はそんなことないのかな?
同じ僕なのにわかんないや
あ、夢の話だったね
そう、一回出てみたよ
でも、毎回無視されちゃうんだよね
それで何回も何回も現れて、やっと反応してくれたんだ
あの僕ったらおかしいよね
あの時差し伸べもしなかった手を今差し伸べるなんて笑
もちろん掴んで、こいつも地獄に落としてしまいたかった
でも、僕は我慢したんだ…えらいよね?
ちゃんと愛想笑い浮かべて、ちゃんと自己紹介もして(忘れてるだろうからね!)
「僕、ドイツだよ!…また忘れちゃったの?僕は忘れっぽいなぁ…。大丈夫!ちゃんと、思い出させてあげるから!」
それで僕、結局こいつのこと呪っちゃった
あはっ、僕に魘されちゃえばいいんだよ、お前は
僕のことすら覚えてない兄に、なにを我慢する必要がある?
僕のことを助けてくれなかったこいつに、なにを忘れさせないといけない?
僕だけが細かいくらい敗戦の記憶を持ってるのはズルいでしょ?
守ってあげた、なんて言っても僕には利益なんてない
それなら、こいつを壊した方が僕に利益があるってもんだよ!
もちろん、ソ連の記憶も、ね?
真っ赤っ赤なその記憶すらプレゼントしてしまえばいい!
すごい、とってもいいアイデアでしょ?
僕が苦しんだ分なんだから、もちろん、あいつにも耐えてもらわないとっ!!
…それじゃあね、バイバイっ👋