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短いお話シリーズ「雨あがりのプレゼント」
朝からずっと雨が降っていた。
学校へ行く途中、私は傘を忘れて立ち尽くしていた。
そのとき、後ろから「おはよう!」と声がする。
振り返ると、クラスメイトの彼がにこにこしながら傘を差し出してくれた。
「入る? ひとりより、ふたりの方が楽しいでしょ」
ふたりで肩を寄せ合いながら歩く道は、不思議と雨さえもやさしく感じた。
笑いながら話しているうちに、気づけば雲の切れ間から陽が差し、虹がかかっていた。
「ほら、きっと今日いいことあるよ」
彼がそう言うから、私も自然と笑顔になった。
――結局その日いちばんのプレゼントは、虹じゃなくて、彼の隣だった。