曽野 Side
「っ、は 、……、」
必死に 練習に取り組む 、
真面目すぎる その姿が 愛おしくて。
「 舜太 、 」
と 、 呼んでくれる 声も、仕草も
全てが俺の心を釘付けにして。
でも、仁ちゃんは俺になんて目がなくて、
「 勇斗がさぁ 、?? 」
「 舜太ー、勇斗のことなんだけど、」
俺に話しかけてくれたと思ったら
いっつも 勇ちゃんのことばかりで 。
『 じんちゃん 、 ! ! 』
もう 何回も している 仁ちゃんの
名前を呼ぶ動作も 、 … …、
むっちゃ 、好きな はずなのに …、
大好きなはずやのに …、 嫌いで 。
でも、
『 仁ちゃん ー! 、』
今も 、、これからも、ずっと貴方を
呼ぶために俺はいるんやって
勝手にそう思い込んで。
仁ちゃんの 爽やかな 柑橘系の
匂いは 居心地 が良くて。
でも 、その匂いは 勇ちゃんが
好きそうな匂いで。
勝手に考えて また苦しくなって、
その匂いが頭から離れなくて …、
時には俺を苦しくさせる 。
甘くて 、 切なくて 、仁ちゃんの
口から出てくる他の人の名前に嫉妬して。
「舜太、」 と俺を呼ぶ 仁ちゃんの声 。
その声が もう何回も呼んでくれていたはずなのに初めて聞く声のように感じて。
いつの間にか、仁ちゃんはいつも
どんな声で俺を呼ぶんだっけ、と
そんなことを考えるようになった。
その日から俺は、俺の名前を呼ぶ
仁ちゃんの声を探すようになった。
「舜太」って少し高めのやさしい声 。
「おい、舜太 、」って怒る時の低い声 。
でも、それでも やっぱり俺が
求めているのは此処には無くて。
俺が欲しいのは、仁ちゃんが勇ちゃんに「ね、勇斗、」って話しかける時の声で。
その声は特別で、。 少し明るくて
優しさが混じっているような声。
仁ちゃんは勇ちゃんにはもっと
砕けて話すし、時には怒ったり、
笑ったりㅤして、俺の時とは全然違う。
俺と勇ちゃんでは確かに、
違うかもしれんよ、
俺は勇ちゃんみたいに全て
上手くこなせんしさ。
やけどさ、勇ちゃんよりは素直に
気持ちは 伝えられると思うし
仁ちゃんを 一人になんかさせんよ?
でも、それでも 仁ちゃんは勇ちゃんが
好きで。勇ちゃんも仁ちゃんが好き。
そんなん 、 両思いな関係崩せん。
勇ちゃんは仁ちゃんの特別で、もうきっと 俺の特別とは程遠い存在のような気がして。
それは 勇ちゃんも同じ。
だって、2人は恋人みたいやから。
2人は心から通じていて。
そして俺なんかが 知らない仁ちゃんをㅤㅤㅤ勇ちゃんはいっぱい知っているんだろう。
仁ちゃんが勇ちゃんを見つめる時の
愛おしそうな目とか、声も
もう何年も一緒にいるメンバーでも
知らないような表情で見つめ合う2人だとか 。
まぁ、この2人は俺等よりも
付き合いが長いと言うことは知ってる。
それでも、…、そんな特別な存在に
勝てるなんて思っとらんけど、
、俺やって…、俺やって 、
仁ちゃんの特別になりたい。
なんて、無理やって分かっとるけど。
こんなに女々しい奴やったっけって
自分でも驚くくらい嫉妬してまう。
もういっそ…、俺が邪魔やって
言うてくれたらええのに、
なんて考えて。
こんなん、俺らしないんのに、。
でも 実際に言われたら
きっと俺はもっと辛くなるんやろうな。
仁ちゃんを嫌いになれたらええのに、。
もう 何回も思ったことか。
でも やっぱり嫌いにはなれない。
『仁ちゃん、』
何度だって呼びたくなってしまう。
『 仁人、』
なんて俺が呼べるわけなくて。
、この 呼び方は勇ちゃん特別やから。
もう訳がわからないくらい好きやのに、
大好きなのに、今日もそんな
気持ちを抱えて過ごしていくんだ 。
end
コメント
3件
うわ〜、切ないです😭でもリアルだ