テラーノベル
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Ft side
目の前のわたしの師は、吐こうとしたが、なにも食べていない弊害が出た。
胃液の酸っぱい臭いが充満して、思わず咽せそうになる。
「げほ…ねぇ、ファタ。どうしたら僕はきみのいちばんになれる?」
私の師、ラディーチェさんがそう言う。
「なんで、なんで、あなたはそんなに私のいちばんに拘るのです?」
私の代わりなど、いくらでもあるのに。
そう思い、眉を顰める。
この言葉も、もう何回も聞いたのに、まだ慣れない。
「そのくらい言うならば、あなたのいちばんも、私にくださいよ」
「…それは、ごめん。」
「なんでです?それは流石に自分勝手がすぎますよ。」
詰めるようにいってしまったのは、今でも後悔している。
「ごめん、でも、でも、それだけは、むりなんだよ」
ラディーチェさんが、泣いてる。
そう思う。いや、そうとしか思わない。
時が経てば経つほど、私たちの心の距離というものは、どの位遠くなっているのだろうか。
「でも、僕はきみのためなら死ぬことも殺すこともできるよ?」
「じゃあ、やってくださいよ。」
「…わかった、だれを殺して欲しい?」
「別に…そこらへんの一般人でいいです」
私も、かなり残酷になってしまったようだ。
ラディーチェさんも、常識人に見えても意外にも可笑しいのだな。
けど、ラディーチェさんも案外馬鹿なのですね。
プログに捕まるかなんかされて、皆んなに軽蔑されて。
そんなことも、考えていなかったのか?
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Ldside
またいつもの様にファタと喧嘩をした。
理由は些細なことで、お互いが大切だからこそ溜まってしまった怒りが、一斉に放たれる。
そうして、何故か会話の中で、僕は“人を殺してもいい”と言ってしまった。
「じゃあ、やってくださいよ」
そのファタの言葉が、僕の鳩尾に深く刺さった。
でも、いってしまったからにはやるしかなくて、一般人を襲撃することになった。
でも、ファタのためなら本当に殺してしまってもいいし、死んでもいい。
けど、死ぬんなら心中がいいな。
人のあったかみ、そして、残酷さを感じてしにたい。
これから犯罪者になる者が、何を言っているのだろうか。
「ぁ…」
遂に来た。
唯の人間。
殺さなきゃ、ころさなきゃ
そうして、僕は人間を殺した。
路地裏に連れていった瞬間に弾丸を放ち、見事にこめかみにヒットした。
そして、返り血を受けた。
まだ生暖かくて、遂に人を殺してしまったのか、と自分に失望する。
触っても指紋が残ることがない様に、途中でゴム手袋を買った。
ゴム手袋越しから伝わる体温に、思わずぞくっとする。
その時、気配を感じた。
「ッ誰だ‼︎」
目の前にはミットが立っていた。
「俺よ、俺。どしたの」
ミットには未ださっき迄生きていた人間が、見えていない様だ。
「いや…何もない。」
「絶対なんかあったやん。どしたの、話して」
「いいからッ…」
ミットは僕の後ろにある死体を、もうみてしまった様だ。
「…はぁ、お前。」
「…ぁ、あ」
思わず息ができなくなって、急激に吐き気が湧いてきた。
「まぁいつかそんなことしよると思ったけどさ、本当にするとは聞いとらんやん。笑」
ミットはそう言って「片付けよか」と後付け、僕の近くに寄った。
「…そんなん、共犯者じゃん。」
僕はつい、言ってしまった。
「いーやん、別に。共犯者でもさ。
俺ら、仲間やん。」
軽く言って、ゴム手袋のペアを一つ取った。
「けど、貸しイチやんね。」
そう、いつもの関西弁でミットは言った。
その慣れ親しんだトーンに、思わず渇いた笑いが漏れる。
「…はは、分かったよ。」
ご飯でも奢ればいい?とか、これは飯では賄えないやろ、とかよくわからない会話をしながらも、長かったか短かったかもわからない時間が過ぎた。
「楽しかった?」
「全然。んなわけないやん」
「そっか」
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M t side
余り眠れなくて夜風に当たっていたところ、ラディーチェを見つけた。
僅かに震えていて、怪我でもしたのかと近寄った。
だが、ラディーチェには拒絶された。
はて、何かやらかしてしまっただろうか。
最近はラディーチェのたこ焼きを食べてしまった記憶しかないが…?
「俺よ。俺。どしたの」
そっから事情を話してもらって、片付けを手伝った。
プログにはどう説明しようか。
話さなくてもどうせバレるだろうし…
まぁ、その時はその時か。
あいつも多分、庇ってくれるだろう。
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Ld side
あゝ、ファタにはどう説明しようか。
殺せたよ?殺したから許して?どう言ったらいいのか分からない。
思わず欠伸が出る。
今は深夜零時。
月が眩しく輝いていた。
殺戮−感情
#神通力
たかはし もけ
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コメント
3件
読み終わったよ〜〜!!😭💦💦 第7話、めっちゃ重くて苦しくて…でも引き込まれた!! 「ファタのためなら死ぬことも♡♡♡こともできる」って言い切っちゃうラディーチェさんと、「じゃあやってくださいよ」って返すファタの距離感が切なすぎる…😢 ミットの軽いノリで共犯者になる感じもリアルでゾワッとしたよ。 感情がぶつかり合って、すれ違って、壊れてく感じ、エモすぎて言葉にならないや…!!次が気になりすぎる🌸💕 ことさん、続き楽しみにしてるね〜!