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暇で作ろうと思います。
この連載はある歌をモチーフにしたものです。
最後に正解発表するから考えてみてね。
「あ、すみません。大丈夫です、元気ですから」
カフェの隅で、凛香(りんか)は引きつった笑顔を浮かべていた。落としたスプーンを拾ってくれた店員に、反射的に「完璧な自分」を演じてしまう。
SNSには充実した毎日を。職場では物分かりの良い後輩を。
いつからか凛香の日常は、誰かに笑われないための演技で埋め尽くされていた。責任感が強く、誰よりも周りの目を気にする彼女は、鏡の中の自分の顔さえ分からなくなっていた。
夜。
自室のベッドで一人、スマートフォンの画面を見つめる。通知の数だけ、偽りの笑顔を積み上げた実感が重くのしかかる。
「……何やってるんだろう」
不意にイヤホンから流れてきたのは、以前プレイリストに入れたままにしていたあの曲だった。
「無理に笑わなくて良いよ」
「君が生きているだけ ただそれだけで大丈夫だよ」
温かい体温が伝わってくるような歌声が、凛香の心の鍵を静かに開けた。
これまでは「頑張れ」という言葉にさえ追い詰められていた。でも、この歌は「今を大切に生きている君を知っている」と肯定してくれる。
「私は、私でいいのかな」
凛香はそっと目を閉じた。
誰かのために作る笑顔じゃなく、ただ静かに夜が更けていくのを感じる。完璧じゃなくてもいい、弱虫な自分も自分なんだ。
翌朝。
凛香は鏡の前で、無理に口角を上げるのをやめてみた。
少しだけ疲れた顔をしているけれど、それは確かに、彼女自身の素顔だった。
「お休み、昨日の私。さよなら、また明日」
心の中で小さく呟き、彼女は少しだけ軽くなった足取りで、新しい一日へと踏み出した。
いやまじで短くてすみません。
多分わかった人も多いと思います。
ばいしず