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レッツゴー
凛香は「完璧な笑顔」という仮面を外し、少しだけ肩の荷を下ろした日から、世界が劇的に変わったわけではなかった。相変わらず仕事は忙しく、SNSを見れば眩しい「誰かの幸せ」が溢れていた。
ただ、決定的に違ったのは、息苦しさが減ったことだ。
ある日の午後、職場の休憩室。
後輩が新しい企画書のミスで落ち込んでいた。いつもなら、気の利いた励ましの言葉と、満面の笑みで「次頑張ろう!」と言っていたところだ。
しかし、この日の凛香は違った。彼女は黙って、自分のコーヒーを後輩の前に差し出した。
「……あの、先輩?」
「無理に笑わなくていいよ。落ち込むときは落ち込んでいい。そのうち、勝手に浮上するから」
あの歌がくれた言葉を、そのまま後輩に伝えた。後輩はきょとんとした後、張り詰めていた顔をくしゃくしゃにして泣き出した。その隣で、凛香は自分も同じように泣きたかった過去を思い出し、静かにコーヒーを飲んだ。
完璧なアドバイスも、眩しい笑顔もなかったけれど、その場の空気は不思議と温かかった。
冬が終わり、春の兆しが見え始めた頃。
凛香は、通勤途中の小さな公園で足を止めた。
そこには、自分と同じようにイヤホンをして、ベンチに座っている男性がいた。彼の聴いている音楽が、微かに漏れ聞こえてくる。
それは、凛香がいつも心を支えにしていた、あの歌だった。
「君が生きているだけ ただそれだけで大丈夫だよ」
音漏れに気づいた男性が、はっとイヤホンを外して凛香を見た。少し気まずそうに「すみません」と謝る彼に、凛香は無理のない、自然な笑みを浮かべた。
「いえ、私もその歌、好きなんです」
ぽつりと呟いた凛香の頬は、冷たい朝の空気の中、ほんのり赤くなっていた。
彼は驚いた顔をしたが、すぐに嬉しそうに微笑んだ。それは、SNSで見るような「いいね!」をもらうための笑顔ではなく、心からの、偽りのない笑顔だった。
完璧じゃなくても、弱くても、私たちはここで息をしている。
無理に笑わなくてもいい。
今日も、世界中のどこかで、あの歌に救われている誰かがいる。凛香はそう確信しながら、少しだけ顔を上げて、春の光の中を歩き出した。
見てくれてありがとうございます。
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ばいしず