「今日はほんとありがとう、ごちそうさま。めっちゃ美味しかった」
「とんでもない、喜んでいただけて光栄です」
上岡は、にっと笑った。
「明日は部活?」
「うん、部活」
「そうか。お互い頑張ろうな、あともうちょいすればお盆だし」
今日は8月7日。もうすぐすればゆっくりできる。
「あのさ」
上岡が真っ直ぐ私を見て言った。
「31日の花火大会、一緒に行かない?」
▲▲花火大会。夏休み最終日の8月31日に開催される大きな花火大会。去年も同じ日に開かれ、玲花と一緒に行った。
「幡中と行きたいんだ」
私が数秒の間無言でいると、上岡は少し焦ったように、あ、と口に出した。
「もしかして、もう行く人決まってる?」
「、いや、ううん決まってない」
「、、絶対楽しませるから。まじ屋台とか全部回ろうぜ、全部食おう」
少し緊張感のある雰囲気だったのに、つい笑ってしまった。
「全部は無理だって」
「ははっ、さすがにか」
きっと楽しいと思う。上岡と行ったら。
「じゃあ、行こ」
「、、まじ!?よっっしゃ」
上岡はありがとう、と笑った。
「じゃあ、気をつけて帰ってな」
「うん、ありがとう」
今年の夏はきっと、穏やかなようで、忙しい。
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