第9話【ぐちゃぐちゃ】
『みんなおつおつ〜、ヒロイです!』
『今日もポケモンSV続きしていくでーん。前回はイツメンと一緒にナッペ山のジムリーダーに挑戦したところかな?』
前回のゲームの続きを単と話して、コントーラーを持って進み出した。
『よし…ここはカットっ…と。』
『……ん?なんかきてる』
録画を止め撮影を終了して、明後日に動画を上げれるように編集をしていたところに1件のメッセージがきていた。キヨからだ。
キヨとは、ここ最近毎日のように連絡を取りあっている。が、今日の夕方頃、連絡が途中で途絶えてしまった。まあ、キヨは疲れていたんだなぁ、と解決(自己)はしたが、そこから連絡は取り合っていなかった。まあ別に、毎日ずっと連絡はしなくていいと思うし、これぐらいのペースの方がお互いいい関係を保てる。けど、どこか心の奥底で【寂しい】という気持ちがあった。そんなこと、思ってもないのに。
〈さっきは既読スルーしてごめん。ちょっと用事あって〉
〈なるほど!大丈夫だよ。〉
〈ん。てか〉
〈んー?〉
〈いまからコラボ動画投稿するけど、通知の準備は大丈夫?〉
〈笑笑笑〉
〈大丈夫だよ!Xも投稿できる準備満タン!〉
〈おっけい。ならするね。〉
〈はーい〉
〈はーい〉というメッセージが未読になった3秒後ぐらいに、YouTubeとXの通知が同時になった。投稿、されたのか。
私も投稿しないと!
ヒロイ@hiloi_dayo
初めてのコラボだよーみんな見てねーうふふ
【事故物件に住んでみた。𓏸𓏸】
URL:~~~~~~~~~~~~~
推しとのコラボ、なんだかとても心がザワザワしました。
💬 5041 ♻️ 18万 ❤️ 50万 ↑
ーコメント欄ー
〈え?〉
〈まじか‼️ヒロイおめでとう‼️夢のコラボじゃんずっと夢見てたもんね🥺ほんとにおめでとう‼️これからもだいすき‼️〉
↓
まじでやばいよね
〈え、まって、あのキヨと?〉
〈きも〉
〈Don’t get carried away〉
↓
That’s it!!!!!!!!!!!!
↓
は?
↓
ヒロイこの人ブロックしていいよ
〈俺もヒロイとくっつきたい〉
↓
きもすぎだろ
投稿してからまだ30分も経っていないのに、想像もできないいいね、リポスト、コメント欄の数だった。私はびっくりして、スマホを布団に投げてしまった。あぶないあぶない。
ゆっくりスマホを持って、キヨに連絡をよこそうとLINEを開き、
〈ねえねえ、Xやばくない?荒れてる〉
と、1件送った。いつもは既読が秒でつくのだが、今回は遅い。どうしたのだろうか、。
一旦、YouTubeの方もコメント見るか。
そう思った私は、後悔することとなった。
『なにこれ…』
コメント欄は、誹謗中傷の海になっていた。
おめでとう。とか、目標達成じゃん。というコメントが2、3件見えたが、それすらも隠す溢れ狂う誹謗中傷のコメント欄が、私の心を壊していった。
すると、タイミングを見計らったかのようにLINEの通知がなった。
〈YouTubeのコメントも、Xのコメントも見たよ。 災難だったね。実況者はコラボしたらこういう事は1回は絶対なるから、一緒に立ち直ろう。〉
そんなキヨからの、推しからの言葉すらも、私の心は癒えなかった。少しのアンチコメントなら私だってすぐ立ち直れる。だって、励ましてくれるリスナーがいるからで、今はリスナーでさえも誹謗中傷をして、私の心はズタズタで…。すると、私の好きなJPOPグループの音楽が聞こえてきた。LINEの着信音だ。
今はもう何も考えられなかったから、名前を見ずに電話に出た。
『、…もしもし』
〈もしもし、大丈夫? 〉
『キヨ!?!?!?!?!?』
〈うわっ、びっくりした(笑)元気そうでよかった〉
『な、なんで電話』
〈いやぁ、心配になってさ。でも良かった。声が元気そう〉
『……っ…。全然元気じゃないよ…』
私の口から、初めての私の感情を告白した。
『辛いよ…キヨ……』
〈!!!〉
そう、私の口から出たことの無い言葉が、推しに告げた。キヨとの電話は1分で切られて、寂しい気持ちになった。でも、キヨの声を聞いて私は床に崩れ、そのまま身をかがめて泣きじゃくった。
私、メンタルざこじゃん、……(笑)
はぁ、こんなんじゃ、実況者向いてないな。
コメント
6件
そりゃあさ?リスナー様からも誹謗中傷されたら立ち直れないほどになるし なんで誹謗中傷するの?何が楽しいの?そういうことする人はね?ほんとに頭おかしいと思うよ