テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
しろニキ
学パロ
全員同級生前提
りぃちょ視点
「ねぇっ!りぃちょくん」
「何キャメさん」
「ニキっ、ニキくんの首!首元!!」
「キャメさん落ち着いて、大人気ないよ」
大変興奮した様子のキャメさんが特大スクープとか言って騒いでる。
「それでニキニキが何?」
「ニキくんの首元にキスマークが…!」
思った以上の特大スクープじゃん。
*
「りぃちょくんこれ本当に大丈夫なやつなの…」
「だいじょーぶだいじょーぶ」
真相を知りたいし、やっぱ尾行だよね。一応バレた時が怖いからキャメさんも巻き添えにしてみた。バレることを恐れてるキャメさんは挙動不審過ぎてちょっと面白い。というか、本当にニキニキに彼女居るのかな。いやでも、ニキニキ黙ってればイケメンだしな…。
「お前ら何しよるん」
後ろから声をかけられたと思えば、聞き慣れた関西弁。しろせんせーだ。
「ニキにキスマねぇ…」
かくかくしかじか、せんせーに事情を話せば興味があるようなないような曖昧な様子だった。この様子じゃあ何も知らなそう。うーん、無能。
「首元にキスマとか独占欲強い彼女さんやなあ」
「たしかにぃ」
「ニキくんそういうの好きじゃ無さそうなのにね」
そんなこんなでせんせーもギャラリーに加わった。とはいえ、さっきからニキニキを見ていても特別扱いしている女の子がいる訳でも無いので他校の女の子とかなのかもしれない。そんな事を考えて居れば、ニキニキがこっちに向かって来ていた。
え、向かって来てんの?
「…で、いつまで見てんのお前ら」
バレてんじゃん。絶対せんせーとキャメさんがデカすぎるからだわ。
「なんかおもろそうやったから着いてってただけやわ」
どうでもいいこと考えてたからせんせーに抜け駆けされた。キャメさんは…ダメだこりゃ。りぃちょ、腹くくれ。バレてんならもう失うもんはなんも無いだろ、多分。
「…ニキニキそれどうしたの」
わざとらしく自身の首元をツンツンと指してニキニキに聞いてみる。すっごく胃がキリキリする。
「それキスマークでしょ?」
「えっ?」
あんまり動揺してない。目線が揺らぐことなく、心の底からの疑問の声を漏らす。やっぱ、ニキニキに彼女なんて居ないのかなぁ。
「…あー、これ多分虫刺され」
「えっ、いやでも…」
「キャメ童貞なんだからキスマがどんなのか知らないでしょ」
確かに、と納得してしまった。童貞なキャメさんがキスマークを知ってるわけが無いわ。何で信じちゃったんだろ…。ちぇ、せっかくニキニキの弱みを握れたと思ったのになあ。
「キャメさん嘘ついたから飲み物奢って」
「うええ!?」
「俺もー」
「俺の分もよろしく」
「ニキくんはまだしもせんせーは良いでしょ…」
結局キャメさんには奢らせた。俺とニキニキは某炭酸水でせんせーは麦茶。流石にせんせーチキってるわ、ダサい。
「あ”、俺忘れ物した…」
「俺もやわ、」
「じゃあ、先帰っていー?」
「ええよ」
今日はちょっと疲れちゃったから二人にこれ以上付き合いたくなーい、なんて思いながら先に帰って良いかと聞けば二人は快く承諾してくれたからキャメさんと帰ることになった。
______________________
しろせんせー視点
「ニキニキ、せんせーばいばーい」
「また明日ー」
気の抜けた声で大きく手を振るりぃちょとまた明日と大声で言うキャメと別れる。俺らは忘れ物を取りに行くために二人を帰らせた。俺は何も忘れてないから嘘でしかないが…。
「あったあった、」
困り顔になりつつも探し求めていた物が見つかったのか安堵の表情を浮かべていた。
「ボビーも忘れ物したんじゃなかったの?」
「俺は嘘やで」
うわ、とジト目で見つめられる。恋人に対してそんな態度だなんて可愛くない。そんな可愛げのない恋人くんに意地悪をしたくなったので、後ろのロッカーに手を付いて恋人の前に立ちはだかる。いわゆる壁ドンというやつだろう。あ、?と驚いた拍子に彼のスクールバックが肩からずり落ちた。そのまま今日のキスマ騒動についていじってやろう。
「危なかったなあ?ニキ」
「ほんっと性悪…」
「その性悪を好きなお前も大概やろ」
「だる」
とはいえ、虫刺されというありきたりな誤魔化しで隠し通せたのもキャメが第一発見者だったからだろうな。りぃちょとかは鬱血痕を付けたことくらいあるだろうし見せて、と言われていたら危なかった。バレたらバレたで俺は隠すつもりも無かったが。
「何でこういうことすんのさ」
「お前が焦ってる姿見たいやん。今日はあんま焦っとらんかったけど」
「残念でしたぁw」
ここぞとばかりに俺を煽ってくる。今この場で襲ってやろうかこのお調子者め。心の内は焦ってたくせにさ。俺は知ってんで、下っ手くそな嘘を吐く時に自身の両手を絡ませてもじもじしちゃうところ。今日も必死こいて嘘吐いて、ほんま可愛ええなぁ…。
まあ、ニキを焦らせたいのは半分正解で半分不正解。こうでもしないと彼はモテるから変な虫に取りつかれてしまうのが嫌で嫌で仕方なかったからお試し程度に付けてみた。こんなに早く気づかれるとは思わなかったが…。
「はやく退いて」
「…これからも頑張って隠し通してこーな」
「はっ、?…っ、なにッ、して」
俺の言葉にフリーズした彼の首元に顔を近付けて、元々あった鬱血痕に被せるように首元を吸う。口を離せば、再び赤みを取り戻した鬱血痕が着いていた。これで暫くは悪い虫がつかないだろうと、何事も無かったかのように彼に帰ることを促す。
「さ、帰ろおや」
「ほんと性悪…」
「なんの事だか」
俺の手のひらの上でずっと転がされて、口でしか反論出来ないのはやはり惨めだ。だが、そんな所も愛らしい。これだから彼を弄ぶのは辞められない。そう思いながら彼と帰り道を歩みだした。