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翌日、小室くんから進路相談の紙が渡された
yu)えっと…こんなこと言うのもあれなんですけど…
km)ん?
yu)どういう風の吹き回しですか…?
手渡された進路の紙には大きな文字でこう書かれていた
yu)進路先を教師にするって…
km)ちゃんと考えた結果がこうやねん
yu)そ、それは重々把握してますよ?
yu)ですが…
km)…何?
yu)本当にこの選択でいいんですか?
自分の生徒にこんなこと言うのもあれだけど、正直不安だった
今まで勉強をサボっていた彼にとって勉強は好きになれる物では無い…そう思ったからだ
km)ちゃんと先生のアドバイス通りに考えて選んだからな
km)この選択に悔いは無いで!
yu)まさかでした…
yu)小室くんにとって勉強は好きなものだったなんて…
km)え、普通に嫌いやで
yu)え?
yu)じゃあどうして…
生徒が考えたことに対して深く足を踏み入れるべきでは無い…そう思っていたけど
どうしても聞かない訳にはいかないと思ってしまった
そう思っていると彼が口を開く
km)だってこの前先生が好きな物じゃなくてもいいって言ったやん?
yu)…え?
km)物じゃなくて人でもええって
そういえばそう言った
進路相談終わりまじかに小室くんに聞かれたんだった
yu)確かにそう言いましたけど……
少しの沈黙の後が続いた
その沈黙を破ったのは目の前に座る彼だった
km)俺は先生の言う通り勉強も大嫌いやし、授業もまともに受けたことない
km)けど、初めて俺の事受け止めてくれるような優しくて可愛くて俺の憧れになるような先生に出会ったから…
km)教師っていう仕事もなんかええな〜って思っただけ
そう言い終わると彼はにこりと微笑んだ
km)それだけの理由やけど?
km)なんかまずい?
yu)いいえ、とてもいいと思いますよ
km)なら良かった〜!
yu)憧れの人ができるっていいことですね
km)やなw俺の憧れになってくれてありがとな
yu)…え?
yu)あ、憧れって僕のことなんですか?
km)そうやけど?
yu)え、なんか色々恥ずかしくなってきた〜…//
恥ずかしさで顔が赤くなっていくのがわかる
まさか自分のことを話されてるなんて微塵も思わなかった
km)先生気づいてへんかったんやw
yu)まさか自分のこと話されてるなんて思わないですもん!
km)めっちゃ鈍感やん…w
yu)そうなんですかね…?w
誰も居なくなった放課後の教室
夕暮れが1人の生徒と1人の教師を照らしていた
他愛のない話を少ししていると夕方の5時を告げる校内チャイムが鳴った
yu)あ、もうこんな時間に…
km)早いな〜
yu)ですね
職員室に戻るために荷物をまとめようとしていると小室くんが独り言のように声を発した
km)ほんま…先生のこと好きになってよかったわw
yu)僕も小室くんのこと好きですよ
km)あー…それってどういう意味で?
yu)普通に1人の生徒としてですが…
km)やっぱりか…
yu)…?
yu)どうしたんですか?
km)絶対に困らせるようなこと言う…ってことだけは断言しとくわ
yu)…?
km)俺は1人の先生としてじゃない
km)恋愛的な意味で好きやから
yu)…え?
to be continued