テラーノベル
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ほの音と共に、太陽に照らされた舞台の中私は1人笑った。
「あぁ○○さんもう舞台始まりますよ。起きてください。」
寝起きに聞こえたのは老人の優しい声。目を擦り記憶を整理する。まず私は音楽家であり今日は舞台で曲を発表する。そうだこの老人は…ええっと。あぁここの管理人だった。
「おはよう。少し水を飲ませて貰ってもいいか。」「急いで下さいね。」
私はゆっくり立ち上がり近くにあった小さな水桶を持ち上げ飲んだ。そうだここは舞台の楽屋だった。 「て言うかどんな曲を書いてきたのですか?」
心底興味はないだろう。私は実際底辺な音楽家。まぁ私はこの曲で皆んなを惹きつける気だ。今までの事は関係ない。
「舞台でのお楽しみだよ。」
その時だった。老人の頭の右半分が消し飛んだ。私は何が起こったのか分からなかった。分かる訳もなかった。そんな静寂を切るように太い声の若い男性が喋った。
「音楽は好きでね。お前の音楽を永久に楽しみたい。」
間髪容れず、あいつの肉についた棘のような物が私の首に飛んできて避けれず喰らってしまった。
「血をやる。お前は耐えれるな…?」
棘からどくどく何かが入ってきて身体中の細胞が泣き喚いている様な感覚になった。体温は50度近くある様な感覚になった。
そこから記憶はない。
全てを思い出したのはついさっき。私は同じ舞台の観客席で3人の死体の前で立っていた。
おそらく本日の観客だったんだろう。手は血まみれだし口にも血がついている。この3人のことは知らないしすごく怖い。何故こうなった。
「旨いか血肉は。」
さっきの男だ。私はこの訳の分からない状況について質問をした。
「なんでこんな事になっている。ここの管理人も何故死んだ。」
若い男は少し驚いた様な顔をした。
「もう意識がはっきりしてきたのか。お前は目を見張る物がある。」
「そうだな。まずは私の事を紹介しよう。私は鬼舞辻無惨。お前はこれから博羅だ。」
この男はすごく怖い。何も返せなかった。
「管理人はあの老人だろう?あの管理人は私が殺した。この観客はお前が… 」
それ以上の言葉は聞きたくなかった。
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