テラーノベル
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「よ!」軽い挨拶をしながらあやのが入ってきた。
ショートヘアーの幼馴染みはいつも突然
僕の部屋に入ってくる。
「あやの。また勝手に入ってきて」
「おばさんには会ったよ。どうぞって言われたもんね」
家が隣で昔から家族ぐるみの付き合いだ。
「で?なに?」
「今日の宿題一緒にやろうよ」
「一緒にって…そんなこと言って写そうと思ってるでしょ?」
「へへっ」
いつものことだった。
「いいじゃん、あ!」
机にある僕の宿題を目ざとく見つける。
「もう終わってるんだ~!」
自分の宿題を広げると早速写し始めた。
「もう。自分でやらなきゃ意味ないじゃん」
「提出することが大事なんだよ」
この幼馴染みは要領がいい。
手早く宿題を写し終えると、ベッドで漫画を読んでいる僕の横に来る。
「なに読んでるの?」
「これの新刊」
「ふーん。それおもしろいの?男子はみんな読んでるよね」
「うん。激熱だよ!この巻ではね…」
「あぁ、そういうのはいいよ」
言いながら覗き込んでくる。
ふっと言い香りがする。シャンプーかな?
それに、あやのの胸元…開きすぎじゃない?
僕の視線に気付くこともなくしばらく隣にいたが、そのうち興味がなくなったようで離れた。
少しどきどきしたのが悔しかった。
あやのは僕の本棚を見ている。
時々本を取るとパラパラとめくっては戻す。
やばっ!あの辺りにはあの本がある…
ちょっと…いや、かなり エッチなあの本が。
新刊を読みながら、気付くな気付くなと祈り、横目であやのを見る。
う、体で隠れて手元が見えない。
あの辺りの本を見ている気もするけど…
「こうちゃん。宿題ありがとね。私、ご飯の手伝いするんだった。もう帰るね。」
突然、本棚の方を向いたまま言う。
僕は「ああ、うん」とだけ言って
宿題を片付けて帰るあやのを見送った。
…見られたかな?
まぁあれくらいなら?これくらいの年齢ならみんな見てるし?と心の中で言い訳したが、
正直かなり過激な内容なので、見られてなければいいな、と思った。
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