─────────とある悪魔貴族の家庭に1人の女の子が生まれた。そう、それが私である。
名前は、”チャーム・リバイバー”。
…
先月私は人間で言う18になった。
と言っても、早生まれな私は新学期が始まったばかりでまだまだ学生。
うちの学校では、3年生になってもクラス替えを行うからドキドキ…なんて事はなくて、結構顔見知りばかりだった。まあ、良かったけど…
その中でも小学校からずっと一緒のクラスのこいつ、そう”カルド・リナンセ”。
カルドは、こちらをちらっと見てから
「よお、カス。」
そう言いながら、いちごミルクを片手に手を振ってきた。
「うるさ〜♪可愛い女の子にそんなこと言っちゃダメだぞ?」
「可愛い女の子?どこにいるんだか」
「今日もママがカルドくんに❤︎ってお弁当作ってくれたけどあげない。」
「え、それは違うじゃん。お前のお母さんのお弁当しか俺生き甲斐ないから。くれないと困る。」
「知らなーい。」
「なあ、頼むって。あ、キスしてやろうか?ん?学年1位のイケメンの俺がキスしてやるって言ってんだぞ? 」
「要らない要らない!まじキモイ!」
私は顔を逸らし、距離をとった。こんな事を言われるから、私とカルドが付き合ってると勘違いされる。困ったものだ。
私はカルドから離れては新しいクラスメイトと仲良くなるために話しかけに行った。
…
昼の12時を回った。
ほとんどのクラスメイトには、声をかけた…が、1人居ない子が居て話せていない。体調不良かなと思いつつ私は屋上でお昼を食べることにした。別にカルドと食べても良かったのだが新学期早々に噂を流されてもたまったもんじゃない。カルドにはお弁当だけを渡して屋上に来た。
屋上は人はおらず、晴れた空が広がっていた。
落下防止の手摺の傍に座っては自分のお弁当を広げた。いつも通りの美味しそうなお弁当。これがあと1年で食べれなくなると思うと少し悲しい気もしたが、まあ逆に考えればあと1年も食べられると思うと少し気持ちが落ち着いた。
私は卒業したらきっと何処かに嫁ぐのだろう。
父も母もよくその話をしている。
同じような年齢の貴族の子、少し年上の会社経営者、…
少しはセックスが上手な人がいいな、などと考えながらいつも話を聞いている。
どうせ嫁いでも子孫繁栄の道具としか使われないのだから、せめてそこだけはこだわりたい。
…
こんな事を考えながら食べるお弁当は味があまりしなかった。空になったお弁当箱を片付け終わると校庭を見た。校庭には、男子が数名いてその中には父と母が話していた同い年の貴族のやつも混ざっていた。身体もひょろひょろで、筋肉もない…運動も下手…それに噂だとアレも小さいらしいし……
「セックス下手そうだなー……」
そう愚痴を零した。はあ、と小さくため息をついた。
さ、そろそろ教室に…
「セックス……?」
そう後ろから声が聞こえてきた。
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