「よしっ…もう一杯だけ頼んで帰ろうぜ…!」
すっかり自信満々モードのままの滉斗が、店員さんを呼ぼうと手を上げる。
「すみませーん、ハイボールと…えーっと…」
メニューを覗き込みながら、なぜか悩みだす滉斗。
「どうせ飲めないのに、頼むなって。もうけっこう赤いよ、顔。」
元貴が注意するけど、滉斗は完全に聞く耳なし。
「だいじょぶだいじょぶ。俺は今、音楽の神に守られてるからさ。
いつだって、大丈夫〜🎵」
「www、いや、神はお酒の許容量までは守ってくれんやろ。」
そして数分後。
運ばれてきたハイボールを「ふふふ…」と笑いながら受け取る滉斗。
が――
ガシャーン!!!
乾杯しようと立ち上がった瞬間、手が滑ってグラスを豪快に床へ落下させてしまった。
店内が一瞬静まり返る。
その後、店員が慌てて駆け寄ってくる中――
「……おぉぉ、やっちまったぁ……!」
ガタガタしながら正座する滉斗。目は真っ赤、耳まで真っ赤、さっきの自信はどこへやら。
「……音楽の神、どこ行った?」
元貴が吹き出しながらツッコむ。
「ていうか、さっきまでの“俺がMrs. GREEN APPLEや”は!?一瞬で消えたけど!」
涼架も隣で肩を揺らして笑っている。
「すみません…ほんと、すみません…」
店員さんに深々と頭を下げ、神妙な顔になる滉斗。
それを見た元貴が、まるで兄のように背中をとんとんと叩く。
「大丈夫。明日にはネットニュースになってないと思うよ。」
「やめて…そっちの方が怖いから。」
結局、割ったグラスはお店が笑って許してくれて、
その後、滉斗はしっかり水を飲まされ、両脇を元貴と涼ちゃんに支えられて帰る羽目に。
その道すがら――
「…なぁ、さっきの俺、めっちゃかっこよかったよな?」
「「どのへんが!?」」
元貴と涼架の声が、夜の街に響いた。
続く?w
コメント
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待っておもろすぎます!!!笑笑笑 何がさっきの俺、めっちゃかっこよかったよな?だよ!!普通に突っ込み入れたくなりましたもん!!!