テラーノベル
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「敦」「芥川」
長い沈黙を破ったのは同時だった。
慌てて先を促す。まさか芥川から話しかけてくれるなんて思わなかった。
「……昨日のことだが…。…アレは、誰かと間違えたのではないか?…そうではないと、説明が」
「違う!!」
「違うよ、芥川。…信じられないかもしれないけど、僕はお前が好き…なんだ。本当は昨日、そんなの、言うつもりじゃ…なくてっ」
色々な感情が込み上げてきて、上手く話せない。芥川はそんな僕を急かすわけでもなく、静かに見つめていた。僕をじっと見つめる大きな黒々とした瞳。ぶっきらぼうに見えるけど、でも芥川は律儀に返事を返してくれる。多分、コイツは不器用なだけなんだろう。思っているよりも芥川は、真面目で、不器用で、……そして、優しい。
だから太宰さんも、ずっと芥川のことを気にかけているのだろう。太宰さんに敵わないのは、分かっているけれど。
「でも、僕がお前のことが好きなことは本当だから。絶対、僕のことを好きにさせてやる!!覚悟しろよ!」
そう宣言して、保健室を飛び出した。まともに芥川の顔を見ることができそうになかったからだ。
火照った頬に当たる風が気持ち良い。開き直って自分の気持ちを吐き出したことで、僕の心は晴れやかだった。
一方、保健室にポツンと取り残された芥川は。
「…………既に惚れていたからこそ、聞いたのだが…」
敦は知らない。芥川が敦のことが好きだということを。そして、芥川は知らない。これから敦からのアタックがずっと続くことを。
これは、なかなか素直になれない芥川にアタックし続ける敦の物語である。
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コメント
7件
ちょ、待ってぇ勉強前に読むもんじゃないぞ 尊すぎて集中できん・・・・
あら、第6話…!敦くん、ついに保健室で告ったんですね。自分の気持ちを認めて「好きにさせてやる」って開き直る姿、すごく清々しかったです。でも何より、私がグッときたのは最後の芥川の呟き。「既に惚れていたからこそ、聞いたのだが…」って、もうね…!不器用な二人のすれ違い、これからどう転んでいくのか続きが気になります。 編集者的には、この「敦が知らない」構図の置き方が絶妙だなあと。読者だけが知っている秘密が、今後の展開を二倍楽しみにさせてくれますね。 …あ、すみません、つい熱くなっちゃいました。おやすみ前のひととき、素敵な余韻をありがとうございます☺️