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「最悪じゃよ。」
左足、右手はなく、体のいたるところに切り傷、刺し傷、噛み跡が残っているぬらりひょんが鋭い目つき、恐ろしい妖気を発して座っている。
「今回はしてやられましたなぁ。」
法衣を着たミイラのような老人が瀕死のぬらりひょんに話しかける。
「あぁ、上秀よ。今回はしてやられたわ。まさか罠じゃったとは。小賢しい人間じゃ。今回連れて行った百鬼夜行のもの達の多くも殺された。」
「なにがあったので?人間にここまであなたがやられるとは考えられないのですが…」
「黒田家のやつは隠神刑部狸と西洋妖怪と手を組んでいやがったのよ。」
「西洋妖怪?」
「あぁ、吸血鬼と悪魔じゃ。あの狸め。まさか外国の奴らと手を組むとは。隠神刑部狸とその配下の狸とあやかし。黒田家の者ども。吸血鬼達と悪魔達が待ち伏せておった。」
「あの狸も我らと同じように外国の者どもの侵攻を防いでいたのになんでなんでしょう?」
「わしを殺して、その後に外国の奴らも殺すつもりだったんじゃろ。」
「そんな簡単にいきますかね?」
「わしを殺し、わしの勢力を取り込めればできたろうな。」
「なるほど。しかし、今回の戦いで吸血鬼と悪魔の勢力が日本で好き勝手するでしょうなぁ。今まで最大の障壁だったぬらりひょんは瀕死。その勢力も主の力から解き放たれて暴れ出しているものも多い。隠神刑部狸はぬらりひょんが生きている以上、同盟をとくわけにもいかず、同盟継続。まぁ、他にも大妖怪がいるとはいえ、とても大きな勢力を持っている2匹のあやかしが取り除かれたわけですから。」
「力のある神々はいつものように傍観じゃろうしな。力のない神達は自分自身や自分の土地を守るので精一杯じゃろうな。まったく。神とは名ばかりで使えぬものよ。」
「はっはっは!仏になり損なった私の前でよく言えますね?」
「わしは仏になるより、今のお前の方がいいと思うぞ?」
「仏になり損なった時は仏とこの世を呪いましたがね。」
「さて、上秀よ。日本各地にいるわしのしもべを集めよ。あの黒田家はもちろん。入り込んだ外国の者。隠神刑部狸を潰すぞ。総力戦じゃ!!」
「御意。」
「あと、わしが瀕死になって離反した者たちもしっかりとケジメをつけんとなぁ。」
「まずは傷を癒してからですからね?全部はそれからです。」
「そうじゃのぉ。今のままじゃ下っ端にもやられてしまうわい。」
「霞様。各地であやかしどもが戦いの準備をしているとか。もうすぐ大戦が始まりますぞ。」
ーえぇ、そうなれば、あなたはとっても動きやすくなりますね。その大戦は千載一遇の好機です。私の身体を一気に集めてください。各地で戦いが起きればあなたの動きは悟られませんー
「もちろんです。真広君はどうします?私が身体集めに奔走すれば真広君を守り切れるとは限りませんよ?」
ー大戦が始まったら一匹呼ぼうかと思っていますー
「誰ですか?」
ー雷の神 雷龍の天之光ですー
「結構な大物を呼びますなぁ。」
ー流石に今回はかなり荒れそうなので。そして荒れたら少しくらい以前の勢力を動かしても悟られはしないでしょう。まぁ、出来るだけ真広の力だけで解決してもらうようにはしますがねー