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佐野いちご
95
🐰side
カイリュウと遊んだ日から数日。夏休みも残りわずかとなったところ。
珍しく何も予定がなく、家でボーっと過ごしていると携帯の通知音が鳴る。
ナオヤ
「今週の花火大会一緒に行こ〜」
久しぶりのナオからのLINEに少し緊張する。あれからナオから好きとかそういう言葉は聞かず、いつも通りに過ごしていたからこそナオの気持ちがわからない。
断るのも変かと思い分かったと返事をしたーー。
夏祭り当日、駅で待ち合わせしていると遠目からナオが嬉しそうに走ってくる。
「やほー!久しぶり〜!」
いつも通りの笑顔に思わずホッとする。
そのまま2人で花火の時間まで屋台で時間を潰し、プラプラと歩く。
日が落ちてきて暗くなってきた頃、そろそろ座るかと2人で河原沿いの芝生に腰掛けた。
なんだか少し気まずくて、無言の時間が続く。
気まずさを誤魔化すように辺りを見回すとふとある光景に目を奪われるーー。
カイリュウ、、?
遠目からだったが確かにカイリュウの姿が見えた。俺の知らない奴と楽しそうに歩く2人を目で追ってしまう。
どんな偶然?、、、てかあいつ誰やねん。
頭の中で先ほどの光景が何度も繰り返される。
居ても立っても居られず、立ちあがろうとするとナオに手を掴まれた。
「いかんでよ、、セイちゃん。」
ナオに向き直るとそこには震える声で話すナオ。あの日と同じ、泣きそうな表情をしていたーー。
ーーーーーー
💖side
あの日気持ちを伝えてから何も進展がなく、勇気を出してセイちゃんを花火大会に誘った。
すぐに分かったと返事が来て舞い上がる。
ーーー当日、セイちゃんと駅で待ち合わせる。
待っていたセイちゃんはいつもと違った雰囲気でなんだかドキドキした。
ああ、やっぱり好きやなと改めて実感する。
「ナオりんご飴食べたい!」
2人で花火の時間まで屋台を回る。ナオのわがままにいつも通り付き合ってくれるセイちゃん。
人が増えてきたところで通行人とぶつかりそうになるとさりげなく手を引いて守るように隣を歩いてくれた。
その距離が心地よくて、少し切ない。
花火の時間が近づき、2人で芝生に座る。
もう一回、気持ち伝えなあかんよな。
そう自分の中で決心するもなかなか口が開かない。少しの沈黙が流れるとセイトもその気まずさを感じ取ったのか辺りをキョロキョロし始めた。
しばらくするとセイトの視線がある一点を見つめてピタリと止まった。
ナオもその方に視線を向けると、そこには友だちと歩くカイリュウの姿があったーー。
なんで、なんでこのタイミングなん?
この偶然に酷く胸が苦しくなる。
今日、もう一度ちゃんと気持ちを伝えようと思った。
エイキにもそのことを話し、頑張れって背中を押してもらった。
言わなきゃ。そう思ってたのにーー。
セイトの方を見ると視線はカイリュウに釘付けで、そのまま引き寄せられるように立ち上がっていた。
お願い、、行かんでセイちゃん。
今だけは、ナオを見てよーー。
ーーー
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自己満の拙い文章なので読みづらい部分あると思いますが、読んで頂き感謝です🙇♀️
コメント
1件
うわ、第20話、めちゃくちゃ切なかったです……。両視点で同じ時間を描く構成が、もうね、心臓ぎゅってなりました。セイトがカイリュウを見つけて固まるシーンと、それを見て震えるナオの「いかんでよ」が重なって、読んでるこっちまで息が止まりそうに。夏祭りという甘い舞台なのに、二人の間に流れる沈黙と視線のすれ違いが痛いくらい伝わってきました。この後どうなっちゃうんだろう、続きが気になって仕方ないです。