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夕方になってしまった。結局ゲームをして今日が終わってしまう。せっかくの休みなのに何も楽しみがない。またニュースでも見るか。
「今日の午後2時頃、大阪府大阪市で通り魔事件が起こりました。犯人は未だに逃走を続けており捜索が続いています。犯人の姿は…」
今度は通り魔か。まあ、これはニュースになっても納得の話ではある。朝に見た轢き逃げ事件よりもずっといい。未だに逃走中ということはもしかしたら犯人に会える可能性があるということか。
会える?人を殺したことがある人に?本当に会った場合、自分も殺されるのだろうか。気になる。
謎の好奇心が出てきて気づいた時にはもう電車に乗っていた。犯人がいるところに近づいてることが妙にワクワクした。
大阪について人混みのないところを歩いてみる。
通ったことがない道を歩くのはとても面白い。美味しそうなお店や変な景色、人が見れたりする。こういう都会のちょっと外れたところを歩くのは人の醜さも見れたりする。酔いつぶれた人、帰る場所がなく道で寝ている人。
そんな人達を横目にただ黙って歩く。いつもならその人たちが今までどんな生き方をしていたのか考える。リストラ、仕事がしたくな、離婚。色んな理由でホームレスになったりしているのだろう。
暗い道を通っている。まあそう簡単に犯人らしき人に会えるとは思っていない。犯人じゃなくても怪しい人や変な人が見てみたいな。
1時間ほど歩いても特に面白そうなことはない。もう帰ろうか。
ん?こんな時間に公園に一人でいる人がいる。しかも犯人と似たような服装だ。話しかけてみるか?僕が変な人と思われる?ここまで来て何も収穫がないのは嫌だし、話しかけるだけ話しかけてみようかな。
「こんな時間にどうしたんですか?」話しかけた。
相手は男性。僕と同じくらいの年齢か?
「あなたこそこんな時間になんでここへ?」当然の答えが返ってきた。
「いい涼しさなんで散歩です。」簡単な言い訳。
「そうですか。どうもないんで大丈夫ですよ。」
つまらない答えが帰ってくるな。
「でもなんか悲しそうな顔をしてたんで、どうしたのかなぁって。」
「聞きたいんですか?知らない人の話。」
「僕は気になりますね。」
「珍しい人ですね。なら、教えます。彼女に振られてしまったんです。半途くらい付き合ってたんですけど、他に好きな人ができたって。」
ほう、リア充が1組減ってしまったか。
「それは残念ですね。またいい人できますよ。」
「ありがとうございます。あなたも他に理由があって散歩?をしていますよね?」
「バレましたか。そうなんですよ、今日通り魔事件があったと聞いて。」
「刑事かなんかですか?」
「そういうことではないですよ。会えるかなって薄い期待を持ってるんですよ。」
「あなたっておかしいですね笑 会ってどうするですか?」
「うーん、なんで人を刺したのかを聞きたい。何かしらの理由はありそうだし。」
「なるほど、そこに理由なんてないですよ。」
彼は手に持っていたカッターナイフを出してきた。
「別に誰だって良かった。とにかく女が憎くなったんだ。もう1人刺してしまった。何人刺しても変わらない。もう僕は戻れない。ニュースにも顔が出てるのは分かる。だったら最後に君も殺して僕も死ぬよ!」
人を殺すと人はここまで変わってしまうのだろうか。たかが振られたくらいで若い女性を1人殺してしまったのか。振られたのは可哀想だが理由はわかるな。哀れな生き物だ。
「刺したいなら刺せばいい。僕はもうこの命に希望は持っていない。ほら、刺したいなら刺してみろ。」
僕は両手を上に上げ抵抗はしない素振りを見せる。
だが、彼の手が震えなかなか動かない。
「どうしました?1人刺したら何人刺しても変わらないんだろ?ほら、早く僕を殺してくださいよ。」
挑発。彼をじっと見つめていた。
「…やっぱりできない…」
は?こいつは何を言い出すんだ。せっかく死ねるチャンスだったのに。
「え、刺さないんですか?」
「なんで不思議がってるんですか。」
「殺してくれると思って期待したのに。口だけなんですね。」
彼は泣き出した。
「そうです、僕は弱い人間です。どうぞ、警察に突き出してください。お金も少しは貰えるんじゃないですか?」
自首を提案してくるとは…
「突き出しませんよ、その代わり…」
あぁ、見つけたかも